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びまん性神経周囲浸潤をきたす新規マウスグリオーマモデルを用いた新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K18385
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56010:脳神経外科学関連
研究機関岐阜大学

研究代表者

宮居 雅文  岐阜大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (60613502)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード神経周囲浸潤 / ヒストンH3K27M変異 / マウスグリオーマモデル / びまん性浸潤 / グルコーストランスポーター1 / mouse glioma model / diffuse infiltration
研究開始時の研究の概要

グリオーマは周囲脳組織にびまん性神経浸潤を起こすため全摘出が難しく根治が難しい。このためびまん性神経浸潤のメカニズムについては長らく研究者の興味の対象であったが、適切な腫瘍モデルがなく、手術検体など不均質な研究材料しか使用できないことから研究が進展してこなかった。
これに対し我々は、これまでの研究でグリオーマのびまん性神経周囲浸潤を再現するマウスモデルの作成に成功した。そこで本研究ではこの新しいモデルを用い、びまん性神経周囲浸潤にかかわる遺伝子を同定する。加えて当該遺伝子産物の機能を阻害し、びまん性神経周囲浸潤を抑制する手法を開発する。

研究成果の概要

ヒストンH3K27M変異をマウスグリア細胞へ遺伝子導入し確立したマウスH3K27M変異導入グリア細胞(IG27細胞)をマウス脳へ移植し、神経周囲浸潤を伴うびまん性グリオーマモデルの作成に成功した。網羅的遺伝子解析で、IG27細胞は野生型細胞と比較してグルコーストランスポーター1(Glut1)の上昇を認めた。Glut1ノックダウンIG27細胞をマウス脳に移植した結果、通常IG27細胞と比較し、生着腫瘍細胞数が有意に減少し、グリオーマの神経周囲浸潤の頻度が有意に減少した。さらにGlut1発現過剰野生型細胞で神経周囲浸潤の再現を認めた。これによりGlut1が神経周囲浸潤を制御していることが示された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

グリオーマのびまん性浸潤は外科的根治術を不可能にしている最大の原因である。びまん性浸潤の中でも神経周囲浸潤に対する有効な治療は現時点ではない。
我々が樹立したびまん性グリオーマモデルは、遺伝子異常に基づき、かつ病理組織学的特徴を再現したモデルである。本研究により、Glut1が神経周囲浸潤に関与していることが示され、Glut1阻害薬がグリオーマの神経周囲浸潤に対する治療となりうる可能性を示した。

報告書

(3件)
  • 2020 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Glucose transporter Glut1 controls diffuse invasion phenotype with perineuronal satellitosis in diffuse glioma microenvironment.2020

    • 著者名/発表者名
      Miyai M, Kanayama T, Hyodo F, Kinoshita T, Ishihara T, Okada H, Suzuki H, Takashima S, Wu Z, Hatano Y, Egashira Y, Enomoto Y, Nakayama N, Soeda A, Yano H, Hirata A, Niwa M, Sugie S, Mori T, Maekawa Y, Iwama T, Matsuo M, Hara A, Tomita H
    • 雑誌名

      Neurooncol Adv.

      巻: 30 号: 1 ページ: 06198-06198

    • DOI

      10.1093/noajnl/vdaa150

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] H3K27M mutationによる腫瘍細胞内代謝の変化がグリオーマのびまん性浸潤を促進する2020

    • 著者名/発表者名
      宮居雅文、金山知弘、富田弘之、中山則之、林 克彦、矢野大仁、原明、岩間亨
    • 学会等名
      第38回日本脳腫瘍病理学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] びまん性神経周囲浸潤を呈するマウスグリオーマモデルの網羅的遺伝子解析と治療標的遺伝子の検証2020

    • 著者名/発表者名
      宮居 雅文、金山知弘、富田弘之、山田哲也、田口幸太郎、林 克彦、原明、岩間亨
    • 学会等名
      第79回日本脳神経外科学会総会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] びまん性浸潤を特徴とする新規マウスグリオーマ前臨床モデルを用いた腫瘍微小環境の検証2019

    • 著者名/発表者名
      宮居雅文, 富田弘之, 金山知弘, 中山則之, 大江直行, 矢野大仁, 原 明, 岩間 亨
    • 学会等名
      第37回日本脳腫瘍病理学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 新規マウスグリオーマモデルを用いた、グリオーマの神経周囲浸潤における腫瘍と神経細胞の相互関係についての検証2019

    • 著者名/発表者名
      宮居雅文, 富田弘之, 金山知弘, 山田哲也, 江頭裕介, 榎本由貴子, 中山則之, 大江直行, 矢野大仁, 原 明, 岩間 亨
    • 学会等名
      日本脳神経外科学会第78回学術総会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] マウスグリオーマモデルによる神経周囲浸潤でのBDNFとMMPの関与についての検証2019

    • 著者名/発表者名
      宮居雅文, 山田哲也, 中山則之, 大江直行, 矢野大仁, 岩間 亨
    • 学会等名
      第37回日本脳腫瘍学会学術集会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [備考] Glut1は、脳グリオーマ微小環境において神経周囲浸潤をともなったびまん性浸潤を制御する

    • URL

      https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20201201.html

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [備考] 岐阜大学医学部脳神経外科

    • URL

      http://www.med.gifu-u.ac.jp/neurosurgery/

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書 2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2022-01-27  

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