研究課題/領域番号 |
19K18386
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) (2020) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
平野 雅規 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研修生 (40823076)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | glioblastoma / RET finger protein / active cis-element / epigenetics / chemoresistance / 神経膠芽腫 / 化学療法耐性 / RFP / cis-regulatory element / RNA-seq / ChIP-seq / 悪性脳腫瘍 / アクティブエンハンサー / エピジェネティクス / 化学療法抵抗性 / エンハンサー / 膠芽腫 |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍の中で最も予後の厳しい膠芽腫を難治性たらしめている要因の一つとして、唯一明確な効果が示されている化学療法薬(テモゾロミド) に対する耐性メカニズムの存在が挙げられる。近年膠芽腫のゲノム解析が進み、様々な知見が集積されつつあるものの、未だこの問題の解決には至っていない。本研究では、遺伝子の発現を調整するエピゲノム機構(特にアクティブエンハンサー)に着目し、化学療法抵抗性に寄与する異常メカニズムを見出し、これまでにないアプローチから新規治療法開発に繋げることを目指す。
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研究成果の概要 |
膠芽腫は最も予後が悪い脳腫瘍の一つである。その一因として、唯一明確な効果が示されている化学療法薬(TMZ)に対する耐性メカニズムの存在があり、その克服は喫緊の課題である。 本研究ではTMZ耐性脳腫瘍においてRFPが高発現していること、TMZとRFP阻害の併用でTMZ耐性脳腫瘍においても高い治療効果が得られることが明らかとなった。次世代シーケンサー解析から、RFP阻害により、ヒストン修飾 (H3K27ac) の広範な変化が引き起こされ、これが酸化ストレス・アポトーシス関連遺伝子の活性化、また一方で細胞周期進行・塩基除去修復を司る遺伝子の不活性化につながり、治療効果に寄与していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、脳腫瘍領域でもゲノム解析が進み、その発生に重要な遺伝子異常が明らかとなりつつある。しかし依然として悪性脳腫瘍が難治であることに変わりはなく、新規治療法開発が望まれている。 本研究では、エピゲノム調整関連因子であるRFPを標的とすることで、広範なエピゲノム変化が起こり、悪性脳腫瘍の化学療法抵抗性に寄与する限定的なパスウェイが阻害され、非常に高い治療効果が得られることが明らかとなった。今後、脳腫瘍患者の予後を改善する新規治療薬の開発につながると期待される。
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