研究課題/領域番号 |
19K18390
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
横田 千里 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (10771909)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | がんペプチドワクチン / WT1 / 膠芽腫 / 免疫チェックポイント / PD-1 / 複合免疫療法 / がんワクチン / 免疫療法 / がん免疫 / 脳腫瘍 / グリオーマ / ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
我々の研究グループは成人悪性神経膠腫に対してがんワクチン療法であるWT1療法に加えて免疫チェックポイント阻害剤などを併用する複合免疫療法(以下 WT1複合免疫療法)について、臨床検体および動物モデルを用いた基礎研究を実施しその有効性と安全性を検証している。しかし小児悪性脳腫瘍に対する複合免疫療法のエビデンスは乏しい状態である。本研究ではこれまでの研究成果を土台とし、小児悪性脳腫瘍の臨床検体における免疫応答を解析する。さらに動物モデルを用いて小児悪性脳腫瘍に対する複合免疫療法の安全性及び有効性を検討することにより、本治療の臨床試験に向けての基礎的背景を構築し、適応拡大の可能性を探索する。
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研究成果の概要 |
悪性脳腫瘍である膠芽腫に対して、がんワクチン療法の一つであるWT1ペプチドワクチン療法と、免疫チェックポイント阻害療法の一つである抗PD-1抗体療法の併用療法を行い、その有効性と各治療が腫瘍内免疫細胞に及ぼす効果について解析を行った。結果、併用療法は各単独治療より有意に生存期間を延長した。また、WT1ペプチドワクチンは腫瘍を特異的に攻撃する免疫細胞を腫瘍内に増加させる効果を認めた一方、抗PD-1抗体は細胞障害性T細胞の不活化抑制効果を認めた。これらの治療は、一般に抗腫瘍免疫サイクルと呼ばれる一連のがん免疫応答のうち異なる機序に作用しており、併用することで相乗的な効果増強を得られることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、膠芽腫に対するWT1ペプチドワクチンと抗PD-1抗体の併用の有効性について初めて報告し、またこれらの治療が腫瘍内免疫環境に及ぼす効果の一端を明らかにした。膠芽腫は現在まで有効な根治治療がなく、既存の治療では十分な治療効果が得られていないため、複合免疫療法は今後膠芽腫の治療の膠芽腫の新たな治療法を示唆した。
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