研究課題/領域番号 |
19K18391
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 宏知 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10569239)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | glioblastoma / Ketogenic diet / ketoghenic diet / glioma / ケトン食 / 代謝リモデリング / ketogenic diet |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫は脳腫瘍の中で最も悪性の腫瘍の1つで、腫瘍のエネルギー産生、維持・増大のために大量にグルコースを取り込んでいる。したがって、グルコースの取り込みを抑制することは腫瘍の増殖を抑制する効果があると考えられる。ケトン食療法は低糖高脂肪食であり、ケトンをエネルギー源とした代謝リモデリングが生じる。今回申請者は、膠芽腫マウスにケトン食を摂取させ、膠芽腫細胞内の代謝リモデリングを質量分析器を用いて詳細に解析し、賦活される代謝経路を同定し、それをターゲットとした新たな治療薬を探索することを目的に研究を計画した。
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研究成果の概要 |
ケトン食(KD)は、糖質を極度に制限しケトン体を生成する高脂肪低糖質ダイエットです。 KD と血管新生阻害剤(ベバシズマブ (Bev)) の併用は、脳腫瘍移植マウスの腫瘍増大抑制とマウスの生存期間延長を示した。 メタボローム解析では、KD+Bevの治療群ではアスパラギン酸やグルタミン酸などの一部のアミノ酸は著明な変化をもたらし、腫瘍増殖能を極度の低下させた。これらの結果は、Bev と組み合わせた KD が、GBM 患者にとって有用な治療戦略になる可能性があることを示唆しています。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膠芽腫に対するケトン食療法の効果は一定の見解がないが、多くの報告でカロリー制限した場合の効果は報告されていた。代謝解析の結果、VEGF阻害剤との併用療法によりアスパラギン酸とグルタミン酸がglioma組織において正常脳組織と異なる変化を示した。臨床研究においてVEGF阻害剤とケトン食療法の併用の研究は行われておらず、今後、膠芽腫患者への効果を評価するために併用療法の臨床研究が必要と考えられる。抗血管新生療法とケトン食療法は、単独ではすでに臨床的に用いられており、安全性は確立されているので、併用療法はすぐに導入可能であり、臨床試験を将来的に行っていく必要がある。
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