研究課題/領域番号 |
19K18393
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
阿部 尚紀 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (10512155)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脳出血 / 単球 / Ly6C / CD11c / 炎症性単球 / マイクログリア / フローサイトメトリー / 脳梗塞 / 重症度 |
研究開始時の研究の概要 |
脳出血・脳梗塞による過剰な炎症は脳の二次損傷を引き起こし更なる予後の悪化をきたすことが知られている。その二次損傷の主役は脳に存在するマイクログリアや浸潤した単球・マクロファージなどであるとされている。急性期に単球・マクロファージの浸潤を抑制すると神経学的予後が改善する報告がある。今回、血液中の単球の割合や性質の変化を調べることで、脳出血・脳梗塞による脳損傷の重症度や予後の予測ができるのではないかと考えた。さらに活性化型単球と脳損傷の増悪が相関した場合、活性化型単球が治療のターゲットとなりうる可能性がある。
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研究成果の概要 |
今回用いた炎症性マーカー(Ly6C)では、脳内の単球の性質変化を血液中の単球で捉えることはできなかった。本研究でも示されたように、脳へ浸潤した単球が炎症性の性質から時間経過とともに樹状細胞様のマーカーを発現するようになり、脳内の環境は目まぐるしく変化している。そのため、炎症等による脳の2次損傷を抑える治療は、時期を間違えると合併症を増やし余計に予後を悪化させる可能性がある。今後、脳内浸潤単球の性質変化を鋭敏に反映するマーカーが本当に血液中の単球に存在するかを確かめるためには、それぞれの時期の細胞集団を回収しmRNAの全解析を行い相関するマーカーが本当に存在するかを調べる必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血液中単球の性質変化と脳の損傷程度が相関した場合、急性期の血液中の単球の性質を調べるだけで、脳の二次的損傷損傷(過剰な炎症による損傷)の大きさを予測でき、積極的に抗炎症療法などの治療介入が必要な状態かどうかを評価できる可能性がある。さらに、その性質の単球は治療のターゲットとなりうる可能性があったため、臨床検体を用いた実験と動物実験を行ったが、今回用いた炎症性マーカーでは脳内のの二次的損傷の状態を評価することができなかった。
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