研究課題/領域番号 |
19K18412
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊師 雪友 北海道大学, 大学病院, 医員 (30812284)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 神経膠腫 / iPS細胞 / ATRX症候群 / astrocyte / ATRX / IDH / glioma |
研究開始時の研究の概要 |
神経膠腫の中で、WHO grade 2-3の星細胞系腫瘍ではIDH変異に加えてATRX変異が高頻度である。ATRX遺伝子の変異は、重度の精神発達遅滞をきたすATRX症候群の原因となる。ATRX変異を有する神経膠腫では、alternative lengthening of telomere (ALT)というテロメア合成酵素に依存しないテロメア伸長機構が認められることが知られているが、そのメカニズムは十分に明らかとされていない。本研究では、ATRX症候群の患者から樹立した人工多能性幹細胞(iPS細胞)から分化誘導した星状細胞の機能解析を通して、ATRX変異神経膠腫におけるALTのメカニズムを明らかとし新規の治療標的を同定することを目的とする。
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研究成果の概要 |
まず健常人由来のiPS細胞からアストロサイトを誘導する予備実験として、201B7細胞を用いてfeeder freeの状態でNeural Induction Mediumでの培養を行った。得られた細胞は蛍光免疫染色でNestinおよびPAX6で陽性であり、神経幹細胞としての性質を有していると考えられた。次に神経幹細胞からアストロサイトを誘導するために、DMEM培地を基本として各種の分化誘導因子を加えて培養を行ったが、いずれも十分なGFAP陽性の細胞が得られなかった。今後は神経幹細胞からアストロサイトを誘導する条件をさらに検討し、ATRX症候群の患者由来iPS細胞でも同様の実験を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、予備実験として行った正常iPS細胞を用いたアストロサイトの分化誘導の段階で十分な誘導条件を確立できず、疾患特異的iPS細胞を用いた実験の段階まで進めることができなかった。よって目的としていたATRX症候群由来iPS細胞の分化誘導後の解析などは全く行えていない。より簡便かつ高い誘導効率をもったアストロサイトの分化誘導方法の確立が必要であり、今後の研究が望まれる。
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