研究課題/領域番号 |
19K18416
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脳腫瘍免疫療法 / CAR-T / がん治療用ウイルス / ポドプラニン / 脳腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
標準治療では根治が目指せない悪性脳腫瘍に対して免疫療法の一つであるCAR-T細胞療法が注目されている。既存のCAR-Tにおける、正常細胞への傷害性を示す可能性や固形癌に対して腫瘍内までT細胞が効率よく到達できないという問題点を克服する必要がある。そのため癌細胞と同様な抗原が正常細胞に存在する場合も、癌細胞の抗原のみを認識する癌特異的モノクローナル抗体を基としたCAR―T細胞を作成する。その有効性及び安全性をマウスモデルにおいて検証する。また、既に臨床実績のあるがん治療用ウイルスと併用することによって、ウイルス感染がTリンパ球を引き寄せるため、CAR-Tとの相乗効果が得られる可能性が高い。
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研究実績の概要 |
背景および研究目的: 標準治療では根治が目指せない悪性脳腫瘍に対して免疫療法が期待されているが、既存のCAR-Tの問題点である、正常細胞への傷害性を示すon-target-off-tumor toxicityを克服する必要がある。そのため癌特異抗原を認識するモノクローナル抗体を基としたCAR―T細胞を作成し、その有効性及び安全性をマウスモデルにおいて検証することを本研究の目的とした。また、がん治療用ウイルスなどと併用による相乗効果も期待される。
研究結果: グリオーマ細胞で異常に糖鎖修飾されたポドプラニン(PDPN)をイムノーゲンとして作成された癌特異的モノクローナル抗体Cancer-specific mAb (CasMab)であるLpMab-2を利用したCARを作成した。LpMab-2 はPDPN発現癌細胞のみと反応し正常PDPN発現細胞と反応しない癌特異的モノクローナル抗体(CasMab)である。LpMab-2の単鎖抗体を用いて第3世代のCAR-TであるLp2-CAR-T細胞を作成した。この新たな概念のCAR-T細胞は、PDPN発現グリオーマ細胞株に対して特異的に細胞障害性を示したが、正常PDPN発現細胞に対する細胞傷害性を示さなかった。また、Lp2-CAR-T細胞は日本国内で樹立させた患者由来のグリオーマ幹細胞株に対しても殺細胞効果を示し、臨床応用の可能性を証明した。 グリオーマ細胞株を用いたマウス腫瘍モデルにおいても、Lp2-CAR-T療法の腫瘍増殖抑制効果を示し、Lp2-CAR導入T細胞治療群はCAR非導入T細胞治療群と比べて生存期間が有意に延長した。また、Lp2-CAR-T細胞療法と癌治療用ウイルスG47Δの併用によってさらに高い治療効果が得られた。
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