研究課題/領域番号 |
19K18420
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大石 正博 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (50646693)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アクアポリン1 / 悪性神経膠腫 / Glioblastoma / 血管新生 / THSD7A / 浸潤 / AQP1 / GBM / アクアポリン1 / MMP-9 / Cathepsin B / 遊走能 / 浸潤能 / 神経膠腫 / 水チャネル |
研究開始時の研究の概要 |
AQP1の発現は神経膠腫の腫瘍悪性度に比例することが知られている。AQP1の発現意義に関してはエネルギー源であるグルコースの代謝(解糖系)により乳酸アシドーシスが生じ、それによる細胞性浮腫を緩和するためにAQP1が増加、さらに周囲の血管新生を促進することが報告されている。血管新生は脳腫瘍増大に関与する最大の要因であるが、その制御因子に関して解糖系に関連した報告は少ない。本研究は悪性神経膠腫細胞におけるAQP1の発現意義および細胞機能への影響を解明し、AQP1の発現量や機能を制御することで腫瘍の増殖能・浸潤能・遊走能、さらには血管新生を抑制する、新たな治療戦略としての可能性を見出すものである。
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研究成果の概要 |
本研究は悪性神経膠腫におけるAQP1発現の意義を解明し、AQP1阻害剤によるAQP1発現・機能調節することで血管新生から繋がる増殖・浸潤を制御する新たな治療を追求するものである。 先行研究ではGBMはグルコース代謝によりAQP1の発現が亢進し、AQP1の発現上昇はGBMの浸潤・遊走能を亢進し、さらに血管新生抑制因子であるTHSD7Aを抑制することで、血管新生を促している可能性を見出した。今回の研究で複数の浸潤・遊走に関わる分子がAQP1発現量依存的に発現亢進していることを示し、これまでの研究結果をまとめCancer Med. 2020 Jun;9(11):3904-3917. に発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性神経膠腫の研究は世界中で多くなされている現在においても、予後不良な脳腫瘍である。既存の概念に囚われない、新規治療法の開発が必要不可欠であり、腫瘍の増殖・進展に関わる分子メカニズムの解明は重要である。悪性神経膠腫とAQP1に関連した報告は少なく、本研究を論文として発表できたことは、腫瘍の悪性度に関わるメカニズム解明の一助になったと考えられる。
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