研究課題/領域番号 |
19K18422
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
市川 尚己 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (10525322)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | てんかん / テネイシンC / 側頭葉てんかん / 神経細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
脳に損傷が加わることで神経細胞死がおこり、それが様々な機序で成熟することでてんかん原性が獲得され、将来てんかんを発症することが知られている。しかし、てんかん原性獲得機序の解明を目指した様々な研究が行われてきたが、未だ解明には至っていない。そこで、痙攣発作により発現するマトリセルラー蛋白の1つであるテネイシンCに着目し、てんかん重積マウスモデルを用いて、テネイシンCの発現を抑制することで海馬の神経細胞アポトーシスが抑制され、さらにてんかん原性獲得を防ぐことができるか検討する。加えて、テネイシンCが神経細胞アポトーシス及びてんかん原性獲得を起こす情報伝達機構を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、マトリセルラー蛋白の1つであるテネイシンCが神経細胞アポトーシスを介し、てんかん原性獲得に寄与することを示唆する所見は得られなかった。しかし、血小板由来増殖因子受容体の活性化が神経細胞アポトーシスを介し、てんかん原性獲得に寄与していることを示唆する所見が得られ、その抑制薬により神経細胞アポトーシスの誘導は抑制された。血小板由来増殖因子受容体阻害薬の一部は既に臨床で用いられているので、臨床応用への道が容易に開ける可能性がある。本研究の成果は今後の更なる研究を促進し、新たなてんかん治療薬の開発へと発展していく可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
てんかん患者の約80%は現在の抗てんかん薬で良好にコントロールされるが、残りの約20%は治療困難であり、新たな抗てんかん薬の開発が望まれる。新たな抗てんかん薬を開発するためには、てんかんの発生およびその脳への障害機序を解明する必要があるが、難治性てんかんが神経細胞死を誘発する機序は未だ十分には解明されていない。本研究の主な成果は他疾患に対し臨床で既に用いられている薬剤が、てんかん原生獲得阻害に有効である可能性を示したことであり、まさしくドラッグリポジショニングによる創薬につながる研究として価値あるものと考えている。本研究がさらに発展し、新たな難治性てんかん治療につながる可能性を秘めている。
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