研究課題/領域番号 |
19K18435
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
池谷 直樹 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30644611)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | てんかん / グリオーマ / IDH / PDXモデル / IDH阻害剤 / Local field potential / パッチクランプ / 変異型IDH1 / 脳腫瘍 / mTOR / 患者腫瘍移植モデル |
研究開始時の研究の概要 |
患者腫瘍移植モデルを用いたmTOR経路活性化とてんかん性異常放電の関連の検討、mTOR阻害剤投与による異常放電の変化の観察によりmTOR経路が脳腫瘍関連てんかん(GAE)に関与するかを明らかにし、mTOR阻害剤のGAEに対する効果を明らかにする。また、mTOR活性化の違いによる興奮/抑制性受容体拮抗薬に対する感受性の検討、受容体・トランスポーターの発現量の観察により、mTOR経路の活性化がシナプス受容体の調節を介しててんかん性異常に関与する可能性を探索する。さらに、臨床例におけるてんかんとmTOR経路関連遺伝子の関係を調べ、mTOR経路の活性化とGAEに関連があるかを確かにする。
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研究成果の概要 |
グリオーマに起因するてんかんにおいて、独自に保有するグリオーマ細胞株、およびモデルマウス作成技術を用いて、細胞・動物レベルで電気生理学的、生化学的検討を行い、病態解明、治療法の開発に取り組んだ。 IDH変異型グリオーマPDXモデル作成方法を確立し、急性冠状脳スライスにおけるLocal field potentialを計測し、てんかん性異常放電の検出を行なった。さらに、パッチクランプ法によるシナプス後電位の計測を行い、受容体レベルでの評価を行なった。これらの手法を、グリオーマPDXモデルの治療群・非治療群とsham手術群において適応し、群間差を検討可能とするデータを集積した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グリオーマは高率にてんかんを合併する。特にIDHという遺伝子に変異を有する(mIDH)グリオーマはてんかんの発症率が極めて高い。一方で、このようなてんかんの3割は既存の薬で制御が難しく、病態理解に基づいた新たな治療法の開発が期待されている。 本研究はmIDHグリオーマ細胞株およびmIDHグリオーマモデルを独自に保有する研究者らが、分子、細胞、動物レベルでmIDHグリオーマに関連するてんかんの病態を解明するために行なった。また、同病態を標的とするIDH阻害剤の効果を検証した。研究の成果は、グリオーマに関連するてんかんの制御率向上と、患者さん・関係する方のQOL向上に寄与することが期待される。
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