研究課題/領域番号 |
19K18437
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
吉田 啓佑 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10836737)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 悪性神経膠腫 / 高内皮細静脈様細静脈 / HEV / VEGFR / PD-1 / 高内皮細静脈 / リンパ管 / 免疫チェックポイント阻害 / ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、通常リンパ節が存在しない中枢神経に生じる腫瘍内の高内皮細静脈(HEV)様細静脈の果たす役割を解明するものである。申請者は既に血管新生阻害+免疫チェックポイント阻害により、無数のHEV様細静脈を動員することを確認している。HEVは獲得免疫に必須であり、HEV様細静脈を腫瘍内に誘導することは、免疫療法が不利とされてきた悪性神経膠腫に対して、新たな治療ストラテジーとなる可能性がある。
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研究成果の概要 |
悪性神経膠腫に対して、VEGFRペプチドワクチン+免疫チェックポイント阻害剤の併用療法により脳内で高内皮細静脈(HEV)様の組織が誘導され、免疫担当細胞を動員している可能性を得た。グリオーママウス細胞株(GL261 ffLuc)、マウスグリオーマ幹細胞株(TSG ffLuc)モデルに対して併用療法下での腫瘍増大抑制効果とOS延長を確認した。同プロトコールにHEV阻害剤を追加した結果、生存期間の延長を阻害され、HEVの寄与が疑われた。また脳切片上で抗MECA-79抗体により同定されるHEV様静脈との相関などを解析した。しかし、HEV様細静脈のみを効率よく単離することは困難であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、通常リンパ節が存在しない中枢神経に生じる腫瘍内の高内皮細静脈(HEV)様細静脈の果たす役割を解明するものである。悪性神経膠腫に対して、VEGF受容体に対する免疫療法+免疫チェックポイント阻害剤の併用療法により通常リンパ節が存在しない脳内で高内皮細静脈(HEV)様の組織が誘導され、細胞障害性T細胞等の免疫担当細胞を動員している可能性が示唆された。頭蓋内におけるHEV様静脈に関する報告はほとんど認めず、その存在・機能等不明な点は多い。HEV様静脈は細胞障害性T細胞を動員する核となりうるため、悪性神経膠腫内にHEV様静脈を誘導することが、各種免疫療法のブレイクスルーとなる可能性がある。
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