研究課題/領域番号 |
19K18439
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松井 悠輔 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10837462)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | くも膜下出血 / 脳動脈瘤 / 破裂予測 / マイクロRNA / バイオマーカー / 動脈瘤増大 / hsa-miR-23b-3p / 未破裂脳動脈瘤 / 先制医療 |
研究開始時の研究の概要 |
未破裂脳動脈瘤の中から破裂に至る動脈瘤を選別することは予防的治療を行うか否かに直結するため重要である。本研究では、動脈瘤の成長及び破裂に対する体液中で測定可能な臨床マーカーを確立する目的で研究を行う。まず、マウス脳動脈瘤モデルを用いた解析で脳動脈瘤の増大を促す遺伝子を制御するマイクロRNAを同定する。次にその発現を患者体液中で定量し、体液中で測定可能な臨床マーカーとして使用し得る可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
くも膜下出血において未破裂瘤に比べて発現が低下している49種のマイクロRNAを同定した。破裂の結果として低下しているものを除外するためにモデルマウスを用いて、モデル血清中のマイクロRNAの発現プロファイルを、コントロール群と比較し、くも膜下出血の結果として2倍以上発現が低下した42種類のマイクロRNAを同定した。これらを比較検討し4種類のマイクロRNAは破裂の結果発現が低下していると考え検討から除外した。残ったマイクロRNAのうちhsa-miR-23b-3pは脳動脈瘤の形成抑制への関与が報告されており、今回の研究結果からはその減少が動脈瘤増大及び破裂に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究結果によって、末梢血から分離可能な血清中のhsa-miR-23b-3pの減少が動脈瘤増大に対するバイオマーカーとして応用可能である可能性が示唆された。現時点で臨床上動脈瘤の破裂予測は患者背景や動脈瘤の部位および形態からなされることが一般的であるため、本研究成果が臨床応用されれば、真に破裂予防のための治療を必要とする動脈瘤を有する患者を選別することが可能となり、破裂しやすい動脈瘤を有する患者がくも膜下出血になることを予防することが可能になるとともに、破けづらい動脈瘤を有する患者に対しては破裂の懸念に起因する心労を軽減できるものと期待される。
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