研究課題
若手研究
グリオーマは脳の正常組織に浸潤する為外科的に全摘出ができず再発する。最近、がんの再発や転移の原因としてがん幹細胞の存在が注目されている。私達は、抗てんかん薬のペランパネルに感受性がある幹細胞株を見いだした。さらにこれらの細胞ではGRIA2がダウンレギュレーションしていることに気がついた。本研究では、これらの成果を発展させ、GRIA2サブユニットがAMPA受容体のCaイオン透過性に関わることに着目し、グリオーマ幹細胞の増殖調節に関わる分子メカニズムを解明する。そのためにGRIA2について、 転写因子、 グリオーマの病態を検証する。そしてGRIA2の転写調節因子を応用した新しい治療法を提案したい。
がんの再発の原因として、がん幹細胞の存在が注目されている。本研究では、手術で切除されたグリオーマから、がん幹細胞を樹立した。そして、抗てんかん薬のペランパネルにより細胞増殖が抑制されるがん幹細胞株を見いだした。RNAシーケンス解析により、がん幹細胞においてAMPA3受容体の発現を認めた。その転写因子としてMEF2AおよびGATA4を明らかにした。以上の成果は、AMPA3受容体がグリオーマの治療の標的に成り得る可能性を示唆する。
グリオーマは強い浸潤能がある。そのため、腫瘍細胞は脳の正常部位に深く染み渡り、外科手術では全摘出できない。さらに化学療法と放射線治療の集学的治療を行っても、治療抵抗性をもつがん幹細胞が増殖をくりかえす。再発の根源であるがん幹細胞をターゲットとした治療法は有効であると考えられる。本研究成果は、がん幹細胞が発現する受容体と転写因子を明らかにした。これらの分子は、グリオーマの治療の標的になりうると考えられる。
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CI研究
巻: 41 ページ: 87-93