研究課題/領域番号 |
19K18449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
市川 奈菜 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (70837434)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 脊柱靭帯骨化症 / 後縦靭帯骨化症 / 静脈血栓塞栓症 / ttwマウス |
研究開始時の研究の概要 |
静脈血栓塞栓症(VTE)は脊髄損傷(SCI)後に生じる合併症の1つであり、死に至る危険性があるため、その予防が重要である。過去に我々は脊柱靭帯骨化症患者ではSCI後のVTEの発生頻度が高いことを報告しており、血管形態の異常がその原因である可能性を見出した。本研究の目的は脊柱靭帯骨化症モデルマウスを用いて、血液凝固能、血管形態を経時的に評価し、VTE発生の要因を同定することである。これにより、脊柱靭帯骨化症患者の周術期や外傷後の管理の確率が期待される。また、脊柱靭帯の骨化に先立って新生血管が靭帯組織へ侵入することが報告されており、本研究により骨化症メカニズムの解明につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
脊柱靭帯骨化症モデルマウス(ttwマウス)を用いて脊柱靭帯骨化症における静脈血栓塞栓症の発生に関わる因子を調査した。ttwマウスではコントロールに比べて血液凝固が亢進しており、血管壁が薄く、径が小さい血管が多かった。また、ttwの血管内皮細胞は管腔形成能が高く、血管周囲により多くの間葉系幹細胞(MSCs)が多く存在していた。これらのことは血栓形成に寄与する結果であり、ttwマウスでは血栓ができやすい状態であることが示唆された。また、血管内皮細胞の高い管腔形成能が骨化の増大に関与している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊柱靭帯骨化症患者では脊髄損傷後の静脈血栓塞栓症の発生頻度が高く、死亡率へ影響している。本研究は脊柱靭帯骨化症における血栓形成に関わる因子を調査し、血栓が生じやすい環境である可能性を見出した。また、骨化症モデルマウスの血管内皮細胞は高い管腔形成能を有し、これが骨化の増大に関与する可能性を見出した。
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