研究課題/領域番号 |
19K18450
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
板谷 信行 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10837834)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 異常血管 / 血流 / 疼痛 / 光音響システム / 癒着 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、関節の疼痛が関節外組織の異常血管や癒着と関連しているとの報告が散見される。変形性膝関節症の疼痛と異常血管や癒着の関連を明らかにすることは、変形性膝関節症治療のブレイクスルーとなる。 本研究の目的は、変形性膝関節症の疼痛と関節周囲の血流及び癒着との関連を明らかにすることである。具体的にはヒト指用アーク型光音響トランスデューサーを用い、ラット変形性膝関節症モデルの膝関節の周囲組織を経時的に観察し、得られた光音響信号及び組織の酸素飽和度と関節包・癒着部位の組織学的観察・酸素濃度の計測・遺伝子解析・免疫染色、及び疼痛の評価を行い、変形性膝関節症の疼痛と周囲組織の血流・癒着との関連を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ラット変形性膝関節症モデルを作成し、光音響システムを用いて吸入麻酔下に膝関節周囲の血流を観察し、関節包周囲における血流の経時的な増加を明らかにした。組織の免疫染色により関節包周囲の血管の観察をし、血管の増生を確認した。関節包周囲組織を採取し、RT-PCRを用いて血管新生に関わる遺伝子の発現の増加を明らかにした。 本研究から①光音響システムを用いることで生体の関節周囲の血流の状態の観察が可能であること②変形性関節症の関節包周囲において血管の異常増生が存在することが明らかとなった。変形性膝関節症の新しい疼痛のメカニズムと治療の開発への基礎的基盤的研究となる極めて重要な結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性膝関節症の疼痛の原因の一つとして膝関節周囲組織の異常血管の増生が関連している可能性が示唆されるが、基礎的に詳細を検討した報告は少ない。本研究から①光音響システムを用いることで生体(吸引麻酔下)の関節周囲の血流の状態の観察が可能であること②変形性関節症の関節包周囲において血管の異常増生が存在することが明らかとなった。 この成果より向後、光音響システムを用いて関節周囲の異常血管と疼痛の関係性をさらに明らかにし、関節外への治療の効果を検証することが可能となった。変形性膝関節症の新しい疼痛のメカニズムと治療の開発への基礎的基盤的研究となる極めて重要な結果が得られた。
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