研究課題/領域番号 |
19K18465
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
柳樂 慶太 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (00759516)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 変形性関節症 / 内軟骨性骨化(軟骨内骨化) / 軟骨下骨板 / 血管新生 / 軟骨下骨 / 非脱灰標本 / 軟骨内骨化 / 組織学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は変形性関節症(OA)における関節軟骨の変性機序について、「軟骨内骨化進行仮説」に基づき組織学的に解明し、治療に応用することである。軟骨内骨化進行が関節軟骨菲薄化をもたらし、OAの根本原因になっているというこの仮説の正当性を証明するために、まずは加齢と外科的OAモデルラットを用いて骨・軟骨構成要素に生じる組織学的変化を定量的に評価する。次に上記に対する薬剤の効果を検討する。本研究により、OAの真の病態解明と、それに基づく新規薬物治療法開発への波及効果が期待される。
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研究成果の概要 |
ラットの膝非脱灰標本の軟骨下骨板を骨細胞の有無にて二層に区別し、変形性関節症(OA)の発症と進行に与える影響を、複数のOAモデルラット(月齢6か月)にて評価した。加齢的OAモデルでは、軟骨表層損傷よりも軟骨下骨板拡大が先行し、OAスコアも軟骨下骨の方が軟骨よりも早期に上昇した。加齢における軟骨下骨板の無骨細胞層とX線・骨硬化幅には強い相関を認めた。一方、外科的OAモデルでは軟骨表層損傷と軟骨細胞のアポトーシス亢進が先行し、後に軟骨下骨板が拡大した。これらの変化は軟骨下骨板の血管新生を伴い、軟骨内骨化阻害薬にて抑制されたため、関節軟骨の軟骨内骨化がOAの骨硬化に関連していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
病態未解明な変形性関節症(OA)の関節軟骨変性・菲薄化機序において、元来、関節軟骨は関節内部からの血液の供給がないため、軟骨内骨化シグナルが生じても骨化することなく軟骨の変性・破壊だけで終わってしまうと考えられていた。 しかし、本研究では軟骨下骨からの血管進入(新生)により、関節軟骨においても軟骨内骨化が進行し、OAの骨硬化は関節軟骨の軟骨内骨化によって生じている可能性が示唆された。以上より、軟骨内骨化の抑制がOAに対する新たな治療標的となりOAの進行を予防する新規治療の開発が期待でき、本研究の学術的・社会的意義は大きい。
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