研究課題/領域番号 |
19K18467
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
兒玉 祥 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (40806478)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 末梢神経損傷 / 神経再生 / カーボンナノチューブ / 生体材料 / 人工神経 / 人工神経管 / 末梢神経 / ナノマテリアル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的はカーボンナノチューブ(以下CNT)の生体内での神経再生促進作用を解明する事である。CNTを用いた新たな人工神経を開発に必要な情報を得るために以下の研究を実施する。 研究①CNTの生体内での神経再生効果の解明 ラット坐骨神経欠損モデルにCNTから作成した撚糸cYarnを充填したシリコンチューブを移植する。術後8週にて神経再生効果を電気生理学、肉眼的分析、組織学的に評価する。 研究②CNTを用いた導管状人工神経の神経再生効果の解明 CNT糸から内腔1.5㎜の導管状人工神経を作成し、ラット坐骨神経欠損モデルへ移植しその神経再生効果を検討する。 研究③CNT糸の生体内での安全性を評価する。
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研究成果の概要 |
シリコンチューブ内に占めるCNT糸の占拠率を変化させた5群(0%, 2%,5%,10%, 35%)を作製し(N=7),ラット坐骨神経15㎜欠損に移植した.術後8週の評価では電気生理学的検査,下腿筋湿重量においてCNT移植群で有意差な神経機能再生が確認された.組織学的評価ではコントロール群では全例で神経欠損部の連続性を欠いていたが,CNT糸充填群では全例で神経欠損部が再生組織で架橋されており,CNT糸に沿った軸索の伸長を認めた.軸索伸長は2%,5%群で効率が良く,60%以上の軸索再生を認めた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,カーボンナノチューブが神経欠損の足場として末梢神経再生を促進することが生体内において確認された。さらに本研究で用いたCNT紡績糸のナノレベルの線維構造という物理的特性も蛋白質の吸着、細胞接着を促進したことが示唆された。これらの結果はCNT繊維が神経再生を促進するOff-the-shelfは新たな生体材料として応用される一助となりうる。カーボンナノチューブを用いた人工神経管の臨床応用により、神経損傷患者の治療成績向上が期待されるとともに、神経損傷患者の機能回復で就労を促す事による経済効果、Off-the-shelfである事から国内のみならず国外での応用などの社会的意義が生まれる。
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