研究課題/領域番号 |
19K18470
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
李 徳哲 宮崎大学, 医学部, プロジェクト研究員 (60768175)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | HMGB2 / サルコペニア / 骨格筋 / 異所性脂肪 / β-catenin / 酸化ストレス / 間葉系幹細胞 / KOマウス / 腓腹筋 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者が要介護状態になる際の脊椎や関節の疾患、移動能力の低下や転倒の原因として、加齢性筋量減少-サルコペニアという概念が近年提唱されている。サルコペニアの診断には筋力が重要であるが、加齢により筋力は筋量よりも早期に低下し、加齢性の骨格筋質的低下がより重要であると考えられる。筋の質的低下の一つに、異所性脂肪浸潤による骨格筋の脆弱化がある。我々はHMGB2が間葉系幹細胞の脂肪分化、肩腱板断裂後の筋内異所性脂肪浸潤を促進することを明らかにしており、本研究ではHMGB2に基づく間葉系幹細胞の分化制御機構を明らかにし、加齢や外傷後の筋骨格系脆弱化に対する新たな治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
異所性脂肪の増加などの骨格筋の質の低下が、直接的に筋力低下、さらにはサルコペニアの原因となる。我々はhigh-mobility group box 2 (HMGB2)の発現低下によって、間葉系幹細胞の脂肪分化能が著明に低下することを示してきた。 本研究では、HMGB2欠損により、間葉系幹細胞においてその分化制御因子であるβ-cateninの発現、抗酸化ストレス能が増加することを明らかにした。加齢やサルコペニア誘導下のHMGB2欠損マウスにおいても同様の傾向を示し、筋内異所性脂肪発生、筋重量減少が抑制された。HMGB2が筋内異所性脂肪発生の重要な制御因子である可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
健康寿命の阻害因子である加齢性骨格筋減少症(サルコペニア)は新しい概念であり、その機序の解明が急務である。サルコペニアにおいて、骨格筋内の異所性脂肪が直接的に筋力を低下させるとの知見が近年増えている。Wnt/β-catenin経路や酸化ストレス反応などに作用する、HMGB2の筋内脂肪発生制御機構を明らかにしたことは、サルコペニアのみならず加齢現象の予防・治療法研究に貢献することと考えられる。
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