研究課題/領域番号 |
19K18473
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
川口 洋平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90766734)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 線維芽細胞様滑膜細胞 / グリオスタチン / 滑膜細胞 / リウマチ / RANKL |
研究開始時の研究の概要 |
TNFα、IL-6、T細胞を標的とした生物学的製剤の出現により関節リウマチ(RA) は寛解可能な疾患として認識され始めている。しかしながら未だ炎症、骨びらんの進行を制御できない患者も依然として多く、これまでとは異なる治療標的の探索は重要な課題である。申請者らの研究グループはグリオスタチンがRAの滑膜炎、軟骨破壊に深く関与することを明らかにしてきた。このグリオスタチンを阻害することは難治性患者のRA治療において有効な手段となる可能性がある。本研究では、滑膜線維芽細胞、破骨細胞を用いてグリオスタチンの関節破壊機序を明らかにし、グリオスタチン阻害による新たなRA治療法の確立をめざす。
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研究成果の概要 |
グリオスタチン(GLS) は、関節リウマチにおいて血管新生作用および関節炎誘発活性作用があることが知られている。 新規経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤であるバリシチニブは、臨床的に関節リウマチ患者に対して、高い有効性を示してきた。我々の研究では、FLSにおいて、GLS mRNA およびタンパクはIFNγによる刺激で誘導され、バリシチニブによって抑制された。JAK/STAT経路の活性化はIFNγでSTAT1のリン酸化がみられ、バリシチニブで抑制されていた。これらの結果は、バリシチニブが IFNγ 誘導性の GLS発現をSTAT1のリン酸化を阻害することにより抑制したことを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存の関節リウマチ治療では疾患活動性が制御できない関節リウマチ患者が存在する。それらの患者に対する新規治療薬の開発は急務である。我々の研究は炎症性サイトカインネットワークの下流に位置するグリオスタチンの関節破壊メカニズムを明らかとし、既存治療のnon-responderや二次無効例にグリオスタチンを治療ターゲットとしたRA治療が探索できる。さらに副作用で既存の薬剤が使用できない患者に対し新たな治療を提供することが本研究の社会的意義である。
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