研究課題/領域番号 |
19K18474
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
吉良 務 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (90646168)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 関節拘縮 / 癒着 / 合成吸収性癒着フィルム / 合成吸収性癒着防止フィルム / 癒着防止剤 / 癒着防止材 / 癒着防止 |
研究開始時の研究の概要 |
ラット膝関節内でポリエチレンとチタン片を骨内に留置して動物モデルを作製する。処置膝の関節可動域を測定し健常膝と比較jし、サンプルを摘出して、組織学的に膠原線維と血管が最も増加している部位を特定する。癒着の最も強い部位に合成吸収性癒着防止フィルムを使用し、経時的に関節可動域の測定とフィル ムの残存を確認する。合成吸収性癒着防止フィルムの至適枚数、設置位置を検証し、組織学的評価による癒着防止効果を立証する。またヒト組織由来間葉系幹細胞を細胞シートとして培養し、合成吸収性癒着防止フィルムとともに重ねてヌードラットへ移植し、ヒト間葉系細胞組織とフィルム間でも癒着防止効果があると立証する。
|
研究成果の概要 |
すでに市販されている合成吸収性癒着防止フィルムを用いて、術後関節拘縮および腱癒着の予防法を小動物を用いて検討した。ラットアキレス腱と下腿骨の間に5mm×5mmの合成吸収性癒着防止フィルムを介在させ、術後10日で実験群と対照群を比較した。実験群では対照群に比べて癒着を剥離するのに要する力が低く、アキレス腱の滑走と足関節の可動性は良好であった。組織標本でも下腿のアキレス腱周囲に生じているコラーゲン線維の増殖が抑制されており、腱癒着および関節拘縮に効果があると実証することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
手術後に腱に生じる癒着とそれに伴う関節拘縮は治療成績の妨げとなり、術後関節機能を向上させる上で重要な課題である。術後早期運動療法が広まり対策されているが、術部の疼痛や腫脹のため実践困難である場合や、術式によってはきょく所安静機関が必要な場合があり効果は限定的である。現在、腹腔内・骨盤内手術において合成吸収性癒着防止フィルムが広く使用されており、癒着防止に多くのエビデンスを有しており、また安全性においても国内外から報告がある。すでに市販されている合成吸収性癒着防止フィルムを運動器に応用可能であることを実証することにより、整形外科手術成績を向上させることに貢献し、その社会的意義は大きいと考える。
|