研究課題/領域番号 |
19K18478
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
津澤 佳代 昭和大学, 医学部, 兼任講師 (70796367)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | アセトアミノフェン / カンナビノイド受容体 / 新生児ラット / acetaminophen / cannabinoid receptor / newborn rat / multimodal analgesia |
研究開始時の研究の概要 |
アセトアミノフェンの鎮痛効果に関しては、シクロオキシゲナーゼ(COX)の阻害やカンナビノイド(CB1)受容体、トランジェントレセプターポテンシャルチャネル(TRPV1)の活性化、セロトニン(5HT)神経系の活性化との関連が示唆されているが、作用機構が十分に解明されているわけではない。臨床ではアセトアミノフェンの定時投与による、併用薬剤の減量等の可能性が示唆されているが、長時間に及ぶ薬物の作用の解析は困難であり、未解決な点も多い。本研究では、新生児ラット摘出脳幹-脊髄標本を用いて、カンナビノイド受容体の役割を明らかにし、その他鎮痛薬と併用した際の反応についても調べ,その作用機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
アセトアミノフェンの鎮痛効果について、ラット脊髄の摘出標本を用いて、脊髄背側神経根を刺激した際に得られる腹側神経根の反射電位の大きさを侵害受容反応として評価した。カンナビノイド受容体アンタゴニストAM251は、反射電位の増強を引き起こした。アナンダミドトランスポーター阻害剤AM404単独投与では、反射電位の顕著な変化は認められなかった。カンナビノイド受容体アゴニストであるノラジンエーテル、あるいはWIN55 212-2の投与でも有意な変化は認められなかった。内因性カンナビノイド受容体が脊髄背側神経根を刺激した際に引き起こされる侵害受容反応の減弱に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ラットの(脳幹-)脊髄標本というin vitro実験系を用いて、下行性疼痛抑制系を含めたアセトアミノフェンの作用機構における、特にカンナビノイド受容体の役割に注目してその役割を明らかにする。この実験系は主に延髄呼吸中枢の研究に使用されてきたが、複雑な機能的神経回路の神経生理学的・神経薬理学的な研究に極めて有用であり,これまで多くの重要な知見が得られている。鎮痛制御の神経機構の解明においても優れた実験モデルとして考えられており、本研究の成果は新しい鎮痛制御系の開発につながることが期待される。
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