研究課題/領域番号 |
19K18482
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 医療法人徳洲会野崎徳洲会病院(附属研究所) |
研究代表者 |
熊井 準 医療法人徳洲会野崎徳洲会病院(附属研究所), 研究所, 研究員 (20826549)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | がん転移 / 細胞外マトリックス / メカノトランスダクション / メカノセンシング / ECMの硬さ / 細胞外環境への適応性 / がん / ECM / 硬さ / 細胞外マトリックス(ECM) / がんの転移 / 骨肉腫 / 転移 / 腫瘍外環境 |
研究開始時の研究の概要 |
若年齢層に多い骨肉腫は、転移に対する有効な治療法が確立されておらず、予後に大きな改善が見られない。骨肉腫は、他の腫瘍と比べて原発巣(骨=硬い環境)と転移巣(肺=柔らかい環境)の腫瘍外環境の物理特性が大きく異なり、肺生着時に新たな腫瘍外環境に適応することが転移成立の鍵となると推測される。そこで本研究では、腫瘍外環境の物理特性から見た骨肉腫転移メカニズムの解明を目指す。さらに、物理特性の異なる環境への適応性獲得の鍵となる分子を同定する。そして、適応性獲得の鍵となる分子を標的として、転移巣への骨肉腫細胞の腫瘍外環境への適応性を変えることで、転移を抑制するという新たな治療戦略を提案することを目指す。
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研究成果の概要 |
腫瘍の転移抑制は、模索の段階である。申請者は、転移過程の最終関門となりうる生着段階に着目し、転移形成において転移先硬度への転移細胞の適応性が影響すると仮説を立てた。骨肉腫では、軟らかい環境へはコラーゲン線維量に依存し増殖することを報告した論文に参画した。一方で、上皮系がんにおいて高転移能をもつ細胞ほど軟らかい環境で培養を繰り返すと徐々に細胞増殖・伸展活性が増強し、転移能の低下に伴いそれらの活性は低下する。この現象には、転移能と軟らかい環境への適応性には相関関係が存在し、本研究において軟らかい環境への適応分子メカニズムを調査中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、これまで有効な治療法が存在しない骨肉腫の肺転移に対して繊維化抑制薬の有効性を示したことである。これは、骨肉腫罹患者の予後の向上に大きく貢献できると考えている。さらに、進行形の軟らかい環境へのがん細胞の適応性と転移の関連を明らかにすることで、骨肉腫だけでなく多様な癌の転移に幅広く対応でき、まだ模索段階である転移治療の礎になると考えられる。
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