研究課題/領域番号 |
19K18491
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
松村 恵津子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (30831854)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 間葉系幹細胞 / サイトカイン / IL1beta / 細胞増殖 / 再生医療 / 滑膜 / IL1 / 増殖 / インターロイキン1β / インターロイキン1β受容体 / 細胞内情報伝達 / mesenchymal stem cell / IL1 beta / proliferation / CD121 |
研究開始時の研究の概要 |
間葉系幹細胞を用いた再生医療を効率的に提供するためには、移植用細胞を安定的に供給することが必須であるが、患者由来の細胞は増殖性に個人差があるため、十分な移植用細胞の数を常に確保できるとは限らないのが現状である。先行研究では、インターロイキン1ベータが間葉系幹細胞の強力な増殖因子であることを示したが、本研究ではその機序の解析を行い再生医療への応用を考察する。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的はIL1bによる間葉系幹細胞(MSC)増殖の分子機序を明らかとすることである。IL1bの効果は血清の存在下でのみ観察されたことから、IL1bは、血清中に存在する他の増殖因子の作用を増強すると考えられた。さらに細胞内Erk1/2のリン酸化を検証したところ、血清刺激により観察されるErk1/2のリン酸化をIL1bが延長させることが明らかとなった。この現象はMSC特異的であった。MSCにおいて観察される遅延型Erk1/2リン酸化の分子機序を明らかとする目的で、IL1受容体の発現解析を行ったところ、MSCでは主に短いアイソフォームが発現していること、細胞質に局在することが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
間葉系幹細胞(MSC)は、関節軟骨等運動器の再生への応用が期待されている材料である。私たちは、IL1bが MSCの強力な増殖因子であることを示してきた。しかしながら、IL1bは非常に強力な炎症性サイトカインであると同時に軟骨細胞に対して軟骨基質産生抑制、軟骨基質分解酵素の発現増強作用が報告されているため、現在の再生医療に直接応用することは難しいと考えられた。そこで本研究における核心的問いとして、IL1bによるMSC増殖の詳細な分子メカニズムの解析を試みる。その成果は、より効率的かつ安全なMSC培養技術の確立に寄与できると考えている。
|