配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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研究実績の概要 |
異所性骨化症の一つで、遺伝子異常による疾患である進行性骨化性線維異形成症(FOP)の治療薬を探索するため本研究を行った。 まずは、異所性骨化症のoriginと考えられているPDGFRアルファ陽性細胞を使用し、異所性骨化症を抑制する薬剤として、Drug screeningでFDA認可薬であるデスロラタジンを抽出した。WST-8による毒性試験、ALP活性、Alizarin染色による濃度依存試験を行い、デスロラタジンは毒性なく濃度依存性にPDGFRアルファ陽性細胞の骨分化を抑制した。デスロラタジンは第2世代抗ヒスタミン剤であるが、Western blotting法の結果、骨分化抑制のメカニズムは抗ヒスタミン作用ではなく、BMP2-Smad1/5/8の抑制があることが分かった。 次に異所性骨化モデルは、有効性・信頼性とも知られているマウスのアキレス腱切離モデルを用いた。術後10週でマイクロCTを撮影しデスロラタジン投与の効果を検討した結果、デスロラタジンはin vivoでも異所性骨化を抑制することを示した。 以上の結果をまとめ、論文投稿を行った(Kusano T, Nakatani M, Ishiguro N, Ohno K, Yamamoto N, Morita M, Yamada H, Uezumi A, Tsuchida K. Desloratadine inhibits heterotopic ossification by suppression of BMP2-Smad1/5/8 signaling. J Orthop Res, 2020 Feb 11. doi: 10.1002/jor.24625)。 進行性骨化性線維異形成症(FOP)患者のiPS細胞の研究やFOPマウスモデルにおいてBMP2-Smad1/5/8シグナルの活性上昇があるといった報告があり、BMP2-Smad1/5/8の抑制をしたデスロラタジンはFOP治療薬の可能性があり、今後さらなる研究が必要である。
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