研究課題/領域番号 |
19K18503
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
村田 大紀 佐賀大学, 医学部, 助教 (00772683)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 靭帯再建 / バイオ3Dプリンタ / 自動伸展循環培養容器 / 靭帯組織体 / 細胞構造体 / iPS細胞由来間葉系幹細胞 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 / 靭帯損傷 / 靭帯分化誘導 |
研究開始時の研究の概要 |
靭帯断裂に対する再生医療の応用として近年,in vitroにおいて作製した靭帯様構造物を移植する方法が,実験的に試されている。しかし,靭帯様構造物には人工材料が用いられており,長期にわたる異物反応や自己組織化の阻害など,そこには多くの問題が存在する。そこで申請者はまず,人工材料を用いることなく,これまで開発に携わってきたバイオ3Dプリンタを用いることで,iPS細胞由来間葉系幹細胞からなる,未分化な立体細胞構造体を作製することにした。その後,独自に開発した自動伸展培養容器を用いて,in vitroで靭帯組織へと分化誘導し,靭帯組織体を創出することで,新たな靭帯再建技術の確立を目指すこととした。
|
研究成果の概要 |
本研究は,靭帯損傷に対する新たな治療法の確立を目的に,バイオ3Dプリンタにより造形する細胞構造体を用いて,腱・靭帯を再建する計画であった。そこでまず,ウサギ脂肪幹細胞から成る構造体を造形し,膝蓋腱に作製した欠損部に自家移植することで,移植後の時間経過と共に構造体が腱へと組織学的に近似する傾向を確認することに成功した。さらに,主にヒトiPS細胞由来間葉系幹細胞から成る構造体を造形し,自作の自動伸展循環培養容器を用いて培養することで,靭帯組織に類似する力学的特性を有した靭帯組織体を創出することにも成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により,脂肪幹細胞から成る細胞構造体をウサギ膝蓋腱の欠損部に移植することで,時間経過と共に腱組織に近似していく傾向が認められた。また,主にiPS細胞由来間葉系幹細胞から成る細胞構造体を,自作の自動伸展循環培養容器で培養することにより,靭帯に類似する組織体を創出することにも成功した。以上より,バイオ3Dプリンタにより造形した幹細胞構造体を用いることで,生体内および生体外において,腱および靭帯を創出できる可能性が示唆され,科学技術的のみならず,社会的および経済産業的にも,大きな影響を及ぼすことが予想される。
|