研究課題/領域番号 |
19K18531
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鎌仲 貴之 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (30791884)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 人工関節 / 晩期感染 / 晩期感染症 / サイトカイン / 病態解析 |
研究開始時の研究の概要 |
人工関節置換術の合併症として術後の手術部位感染(SSI)があるが術後3か月以内に起きる早期感染症と、術後3か月~数年経過して起きる晩期感染症がある。早期感染症の原因としては主にブドウ球菌感染で手術中あるいは周術期の創部内感染が主な原因と考えられる。一方で晩期感染症の原因は未だ解明されていない。そこで我々は手術部位も含めた体内に元々存在する菌が置換部周辺で感染を成立させる条件を検討した。人工関節に使用される金属がチタンを中心とする様々な金属を含む合金である事に着目し、合金を構成する金属による免疫への影響を検討する。
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研究成果の概要 |
細胞実験ではRAW細胞、V79細胞、MC細胞を用いて各種金属間で細胞増殖に差がないか確認した。FeCl3がV79において他の細胞より有意に増殖していたが、そのほかの金属ではおおむね細胞間で増殖に大きな差はなかった。どの細胞でも増殖をほとんど認めなかった金属はPt合金、Cr合金、Ni合金、Co合金、Pd合金であった。整形外科手術で多く使用されるTi合金にはNiが含有しており細胞増殖を阻害している可能性はある。 また、人工関節置換術後の感染により再置換術となった症例から採取したインプラント周囲の軟部組織や関節液からは金属粒子が検出されず評価が行えなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化が進む近年、変形性膝関節症や変形性股関節症により人工関節置換術を受ける患者が増えている。人工関節置換術の合併症には手術部の感染があるが、術後数か月経過して起こる晩期感染症がある。晩期感染症患者のインプラントは緩みが生じていることが大半であるが起因菌が検出されないことも多い。インプラントから漏出する金属粒子が細胞毒性を起こしている可能性がある。細胞毒性を生じにくい金属を使用したインプラントを使うことで人工関節置換術後の晩期感染症を減らせる可能性がある。
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