研究課題/領域番号 |
19K18533
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
河野 通快 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30547740)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腰部脊柱管狭窄 / 黄色靭帯 / グリコサミノグリカン / 質量分析 / 腰部脊柱管狭窄症 / 変性靭帯 / 軟骨基質 |
研究開始時の研究の概要 |
腰部脊柱管狭窄症に対する薬物治療は血流改善薬(プロスタグランディンE1)や神経障害性疼痛治療薬(プレガバリン)等による対症療法が中心で、いずれも狭窄状況を根本的に解決することは不可能である。今後の患者数増加に対して現行の手術治療の規模を拡大することは医療資源の面で限界があり、新規治療法の開発が期待される。 われわれは変性靭帯に軟骨組織が増生している点に注目しており、変性靭帯に含有される軟骨基質は未変性靭帯と比較して質的、量的にどのような差異があるかや、どのような力学特性の変化があるかを明らかにすることにより、腰部脊柱管狭窄症の病態を解明を目指す。
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研究成果の概要 |
腰部脊柱管狭窄の主要因に黄色靭帯の肥厚があり、靭帯内部には軟骨組織が増生し、軟骨基質には種々のグリコサミノグリカン(GAG)を含有している。本研究は変性靭帯に含まれるGAGの組成を、未変性靭帯を対照として、質量分析の手法を用いて明らかにすることを目的とした。変性靭帯におけるGAG含有量は尾側部>中央部>頭側部の順で尾側部は頭側部と比較して有意に高値であった。さらにGAGを二糖化酵素で処理し、質量分析により解析した結果、3種のコンドロイチン硫酸(ΔCS-0S,ΔCS-4S,ΔCS-6S),ヒアルロン酸、ケラタン硫酸を検出し、いずれも未変性靭帯と比較して変性靭帯において有意に高値であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腰部脊柱管狭窄症の有病率は高く、今後も患者数が増加することが推計されているが、現行の薬物治療は対症療法が主体で、根本的に病態を解決する薬物治療はない。われわれは腰部脊柱管狭窄における変性靭帯に含まれるグリコサミノグリカンの質量分析を行った結果、種々のグリコサミノグリカンを検出し、いずれも未変性靭帯と比較して有意に高値であることを明らかとした。以上の結果から腰部脊柱管狭窄において増加したグリコサミノグリカンが新たな治療標的となる可能性が示された。
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