研究課題/領域番号 |
19K18540
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 吉備国際大学 (2020-2021) 明海大学 (2019) |
研究代表者 |
森 芳史 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (60757954)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 関節軟骨 / 変形性関節症 / Rho / deep learning / artificial intelligence / Rhoタンパク |
研究開始時の研究の概要 |
関節軟骨は階層構造を持つが、その発生・維持のメカニズムは殆ど知られていない。代表者は今までの研究成果から、Rhoファミリータンパクの機能を調節する複数の因子が、関節軟骨で層特異的に発現し、各層に特異的な基質形成を誘導する事で、関節軟骨の階層構造が形成・維持されるのではないかとの仮説に至った。 本研究では、このRho調節因子について、発生段階及び病的状態にある関節軟骨での機能を、in vivo、in vitroの両面で解析する。それによって関節軟骨の再生医療や変性治療に有用な知見を得る事が本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
関節軟骨で階層特異的に発現するRho調節因子であるW, S, Dの機能を解析した。Wの軟骨特異的KOマウスでは、表層から深層へ向かう細胞の配列が乱れ、通常は細胞体積の小さな表層部分で肥大化が顕著に生じ、さらに、細胞数が有意に減少していることを見出した。SのKOマウスでは、関節軟骨のうち、石灰化の有無による境界であるtidemarkよりも浅い層の割合が有意に増加していることを見出した。本研究以前の研究成果と併せ、これらの因子が関節軟骨の階層構造の形成に関与している可能性が強く示唆された。また、さらなる解析のために、関節軟骨の組織学的解析を自動的・非恣意的に行うAIモデルの開発を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
関節軟骨は均一な構造の組織ではなく、それぞれ特異的な機能を持った複数の階層から形成されている。変形性関節症や関節リウマチなどの関節疾患の病態解明や、機能的な関節軟骨の再生の実現のためには、この階層構造を形成・維持する機構の理解が欠かせないが、現在までに知られていることは少ないのが現状である。今回の研究によって、関節軟骨の階層構造の形成機構の一端が明らかになったことは、将来的な関節軟骨関連の医療の進歩の一助になると考えられる。また、本研究で関節軟骨の組織を解析するAIモデルの開発も行ったが、これは多くの研究に応用可能なものであり、科学・医療の発展に幅広く貢献するものであると考えている。
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