研究課題/領域番号 |
19K18547
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
田島 貴文 産業医科大学, 医学部, 助教 (40778156)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ALDH2遺伝子 / 高解像度CT検査 / 骨微細構造 / HR-pQCT / ALDH2遺伝子多型 / 骨密度 / 皮質骨幅 / PTH製剤 |
研究開始時の研究の概要 |
アルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)遺伝子多型は日本において45%の頻度でみられるが、アルツハイマー病、食道癌、骨粗鬆症の頻度が高い。我々はALDH2遺伝子と骨代謝の関連性について、Aldh2欠損マウスは大腿骨骨幹部皮質骨厚が大きいことや皮質骨のPTH受容体発現が多いことを発見した。ヒトにおいて同様の現象があるかは不明である。本研究では通常のCTよりも10倍解像度が高いHR-pQCTを用いて橈骨、脛骨遠位部の骨微細構造のALDH2遺伝子多型における違いを明らかにし、さらにPTH製剤による骨量増加効果の違いをprospectiveに評価する。
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研究成果の概要 |
変異型アルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)遺伝子は日本において45%の頻度でみられ、骨粗鬆症のリスクである。本研究の目的は、高解像度CT検査(HR-pQCT)を用いて橈骨および脛骨遠位部の骨微細構造のALDH2遺伝子多型における違いを明らかにすることである。ホモ正常型ALDH2遺伝子保有者と比較し、変異型ALDH2保有者では脛骨の海綿骨骨密度(Tb.vBMD)、骨梁体積密度(BV/TV)、骨梁幅(Tb.Th)が有意に低値であったが、脛骨皮質骨、橈骨海綿骨、橈骨皮質骨に違いはなかった。すなわち、変異型ALDH2保有者では、上肢より下肢の海綿骨の骨微細構造の低下がある可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本人に多く認められる変異型ALDH2遺伝子保有者は骨粗鬆症や大腿骨近位部骨折を合併する頻度が高いが、その骨微細構造をHR-pQCTを用いて評価した報告はない。我々の過去の研究でAldh2ノックアウトマウスでは、荷重・非荷重環境において野生型マウスと異なる骨反応がみられたが、ヒトにおいても非荷重骨である橈骨では変化なく、荷重骨である脛骨のみで海綿骨の微細構造の劣化を認め、脛骨皮質骨には変化がなかった。本研究成果から、変異型ALDH2遺伝子保有者において、特に荷重骨の海綿骨劣化を予防することで骨折リスクの低減に貢献できると考える。
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