研究課題/領域番号 |
19K18559
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
北川 孝一 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命助教 (00822884)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / ビフィズス菌 / 免疫療法 / 粘膜免疫 / 尿路上皮癌 / 癌免疫療法 / 免疫チェックポイント阻害薬 / T細胞 / 経口癌ワクチン / WT1 |
研究開始時の研究の概要 |
近年尿路上皮癌に対し免疫チェックポイント阻害薬が保険適応となったが、単独での奏効率は限られている。そこでその奏効率を向上する複合癌免疫療法の開発が期待されている。本研究では尿路上皮癌に対する新規複合癌免疫療法の開発を目標とし、ビフィズス菌表層に癌抗原“Wilms’tumor 1 (WT1)”を発現させたWT1経口癌ワクチンと免疫チェックポイント阻害薬との併用療法による抗腫瘍効果を検討するための前臨床試験を実施する。特に化学療法抵抗性の進行性尿路上皮癌については有効な治療法が限られるため、本経口癌ワクチンならびに新規複合癌免疫療法の開発により大幅な患者予後の改善を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では尿路上皮癌に対する新規複合癌免疫療法の開発を目標とし、Wilms' tumor 1 (WT1) タンパクを表層発現する組換えビフィズス菌を用いた経口癌ワクチン (B. longum 420) と免疫チェックポイント阻害薬 (抗PD-1抗体)との併用による、その癌治療効果を検討した。その結果、本併用療法はWT1発現ビフィズス菌単独投与群や抗PD-1抗体単独投与群と比較してマウス尿路上皮癌MBT-2に対する有意な抗腫瘍効果を示した。併用療法の後にはWT1特異的な細胞性免疫が活性化されており、当該併用療法がWT1特異的免疫応答の増強により尿路上皮癌治療効果を高めることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、組換えビフィズス菌の経口投与が免疫チェックポイント阻害薬の尿路上皮癌に対する癌治療効果を増強することが明らかになった。進行性尿路上皮癌は患者数が多く予後不良であり、また近年適応となった免疫チェックポイント阻害薬の奏効率も20パーセント台と高くは無いため、その奏効率を高める新規併用療法薬の開発が待たれている。当該組換えビフィズス菌はそのような併用療法薬として応用できる可能性があり、研究の進展により尿路上皮癌患者の治療に貢献することができると考えられる。
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