研究課題
若手研究
・マウス膀胱上皮培養細胞、膀胱平滑筋培養細胞、膀胱ex vivoカルチャー組織における時計遺伝子発現変化と、低酸素によって誘導される各種タンパク、酵素類の概日リズムを測定し、時計遺伝子リズム異常との関連を調べる。・上記組織に低酸素刺激を負荷し、誘発される概日リズム障害を調べる。・夜間頻尿モデルである時計遺伝子変異マウス(Clock mutantマウス)を用い、上記で得られた結果とClock mutantマウスの結果を比較する。・時計遺伝子代謝に作用する薬剤投与による膀胱の時計遺伝子リズム改善作用を確認する。・骨盤内低酸素モデルのラットを用い、生体外で得られた実験結果と比較する。
SAS負荷により、睡眠期のマウス排尿回数は増加した。さらに膀胱容量もSAS負荷後低下した。SASによりマウスは夜間頻尿様の病態を呈する事がわかった。低酸素刺激後の膀胱上皮培養細胞における時計遺伝子Per2発現リズムは10%の低酸素刺激ではコントロールと同じような概日リズムが観察できた。しかし5%、1%と酸素濃度を下げるに従い、概日リズムは変化し、1%の低酸素刺激においては時計遺伝子の概日リズムが消失した。これらの結果より、SAS負荷は膀胱の概日リズム異常を介し夜間頻尿を引き起こす可能性がある。
SSASの慢性的な低酸素ストレスが膀胱の時計遺伝子異常を介し夜間頻尿を惹起させる。いままで言われてこなかった新しい病態の一つであり、夜間頻尿に対する新規の治療戦略、新規治療薬の創生に結び付く可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Life Sciences
巻: 278 ページ: 119555-119555
10.1016/j.lfs.2021.119555
Scientific Reports
巻: 11 号: 1 ページ: 10069-10069
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