研究課題/領域番号 |
19K18584
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲垣 裕介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80804400)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 男性不妊 / 精索静脈瘤 |
研究開始時の研究の概要 |
精索静脈瘤は男性不妊の原因の一つとして知られており、手術により精液所見が改善することが分かっている。しかし、現在に至るまで精索静脈瘤が精液所見悪化を来す詳細な機序については十分には解明されていない。精索静脈瘤モデルラットを用いて、精索静脈瘤の精液所見悪化のメカニズムの解明を行う。原因の一つに活性酸素の存在が指摘されており水素に活性酸素の除去効果あることが知られている。われわれは体内に効率よく水素を運搬することができるシリコンナノ粒子を開発し、効率的な体内への水素取り込み法を確立した。これを用いてこれまで存在しなかった精索静脈瘤に対する効率的かつ非侵襲的な治療法を開発する。
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研究成果の概要 |
精索静脈瘤による造精機能障害の原因の一つが酸化ストレスとされており、酸化ストレスを改善させる物質として水素に着目した。大阪大学産業科学研究所との共同研究で水と反応し大量かつ持続的に水素を発生させることができるシリコンナノ粒子を開発し、精索静脈瘤による男性不妊に対するシリコンナノ粒子内服の治療効果を精索静脈瘤ラットモデルで検討した。その結果シリコンナノ粒子の内服により精巣上体精子運動率が改善し、精子酸化ストレス、体外受精の受精率が改善することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
男性不妊症の約8割を占める造精機能障害の原因で、原因不明に次いで多いのが精索静脈瘤である。精索静脈瘤による男性不妊では手術により精液所見や自然妊娠率が改善することから積極的に手術が行われているが、手術以外の有効な治療法は存在しない。本研究で用いたシリコンナノ粒子は、精索静脈瘤ラットモデルに経口摂取させることで精巣上体精子運動率が改善し、精子酸化ストレス、体外受精の受精率が改善した。シリコンナノ粒子の経口摂取は、外科的治療法しかなかった精索静脈瘤による男性不妊に対する新規内服治療法になりうると期待される。
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