研究課題/領域番号 |
19K18587
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
坂口 大 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (70779008)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / スニチニブ耐性 / ブロモドメイン蛋白 / BRD4 / 腎癌 / 進行性腎癌 / ブロモドメイン / JQ1 / 治療抵抗性腎癌 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の予備実験ではスニチニブ耐性ゼノグラフトモデルにおいて、最も代表的なブロモドメイン阻害剤であるJQ1の投与によって著明な抗腫瘍効果を認めたが、これまで治療抵抗性腎癌における報告はほとんどない。本研究は当科で樹立したスニチニブ抵抗性腎癌細胞株を用いて、JQ1の投与を行って、コントロールと比べることにより、治療抵抗性腎癌においてブロモドメイン阻害剤が影響する増殖・浸潤・転移および薬剤抵抗性に関わる遺伝子群やシグナル経路を解明し、さらなる新規治療戦略および治療抵抗性克服の基礎データを収集する提案である。
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研究成果の概要 |
スニチニブ耐性腎癌のmiRNA発現プロファイルから標的分子の探索を行い、ブロモドメイン蛋白(BRD4)に着目した。TCGA databaseでは腎癌患者におけるBRD4の高発現群は予後不良であった。In vitroではBRD4の阻害薬であるJQ1の投与によりスニチニブ耐性786-Oを含めた複数の腎癌細胞株で、アポトーシスの誘導、細胞周期停止による増殖能の抑制、遊走・浸潤能の抑制を認めた。ゼノグラフト実験で、JQ1を投与した群では腫瘍増殖の著明な抑制を認めた。クロマチン免疫沈降によるBRD4の標的遺伝子探索ではSCG5、SPOCD1、RGS19、ARHGAP22が独立した予後予測因子であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりスニチニブ抵抗性腎癌細胞においてBRD4阻害により遮断される分子経路の解明は、JQ1抵抗性メカニズムの理解を深めることに繋がった。またJQ1投与により特にスニチニブ抵抗性腎癌細胞において発現が抑制されている遺伝子群や分子経路を探索・解明できた。今後のスニチニブ抵抗性腎癌における新たな治療戦略の提案を行うことが出来たため、社会的な意義は大きい。
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