研究課題/領域番号 |
19K18590
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
星 誠二 福島県立医科大学, 医学部, 病院助手 (70813137)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 前立腺癌 / 糖代謝 / SGLT2 / アンドロゲン受容体 / 去勢抵抗性前立腺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒトmHSPC前立腺癌細胞株(LNCaP,22RV-1)およびヒトホルモン抵抗性前立腺癌細胞株(PC3,Du145)を用いて、SGLT2の発現評価を行い、SGLT2阻害・過剰発現による細胞増殖の変化およびアンドロゲン受容体活性の変化の評価を行う。またmHSPC細胞株に対しアンドロゲン受容体阻害薬であるBicalutamide(BCL)を使用した際のSGLT2の発現変化および腫瘍の糖代謝について評価する。加えてSGLT2阻害・過剰発現下でのBCLの効果について評価をおこなうことで、SGLT2がアンドロゲン遮断療法に与える影響について検討する。
|
研究成果の概要 |
前立腺癌において、一般的に癌で糖取り込みを担うグルコーストランスポーターは低発現とされる。そのため本研究では異なる経路のナトリウム依存性グルコーストランスポーター2(SGLT2)に着目し、アンドロゲン受容体活性の抑制による細胞増殖抑制効果との関連を解明し、SGLT2の診断マーカーや治療ターゲットとしての可能性を探求した。本研究では、前立腺癌の増殖に重要とされるアンドロゲン受容体によるSGLT2の制御と細胞増殖への関連を評価した。SGLT2の発現は、アンドロゲン非依存性の前立腺癌細胞株で発現が高く、アンドロゲン非依存的な制御が主であると考えられたが、SGLT2の抑制は細胞増殖を抑制し得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前立腺癌において、アンドロゲン受容体の遮断は細胞増殖を抑制し、主に使用される治療薬の標的とされる。しかし治療過程で、アンドロゲン受容体の発現低下と代替経路の発現亢進により、薬剤耐性を獲得する症例が存在する。今回、SGLT2はアンドロゲン受容体の発現低下に伴い発現が亢進する可能性があり、今後アンドロゲン受容体遮断薬の治療予測因子や治療不応症例において新たな治療標的になる可能性が示唆された。SGLT2阻害薬は糖尿病の治療薬として、大きな有害事象なく投与できる薬剤であるため、臨床での使用が期待される。
|