研究課題/領域番号 |
19K18600
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
全並 賢二 藤田医科大学, 医学部, 講師 (60440731)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Prostate cancer / translation / PDCD4 / eIF4a / 前立腺癌 / 去勢抵抗性 / miR-21 |
研究開始時の研究の概要 |
進行性前立腺癌においてホルモン除去療法に不応性となる去勢抵抗性前立腺癌の詳細な機序は未だ明らかになっておらず、有効な治療法も確立されていない。それに対し、申請者らはアンドロゲン受容体によって調節される癌マイクロRNAであるmiR-21とその標的遺伝子について研究を進めてきた。本研究では、miR-21の有力な標的遺伝子で、癌抑制遺伝子であるprogrammed cell death 4 (PDCD4) に着目し、①前立腺癌における去勢抵抗性の機序の解明、②miR-21/PDCD4経路をターゲットとしたCRPCの治療選択や予後予測の新たなバイオマーカーの確立、新規治療法の開発を目的としている。
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研究成果の概要 |
本研究では、癌抑制遺伝子であるProgrammed cell death 4 (PDCD4) に着目し、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の機序の解明、miR-21/PDCD4経路をターゲットとしたCRPCの新規治療法の開発を目的とした。 前立腺癌標本では病理学的悪性度とPDCD4蛋白発現は逆相関していた。PDCD4を介して蛋白翻訳に関わるeIF4aを阻害するSilvestrolによりヒト前立腺癌細胞の増殖抑制効果を認めた。 一般的にPDCD4が低発現している去勢抵抗性前立腺癌において、蛋白翻訳をターゲットとしたsilvestrolの抗腫瘍効果が示唆され、今後の臨床応用の可能性も期待できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では前立腺組織あるいは前立腺癌組織内でのPDCD4発現レベルや分布を明らかにし、PDCD4経路をターゲットとした新規治療開発の重要性を見出した。 また、PDCD4は蛋白翻訳に重要な役割を持つeIF4aに対するinhibitorとしての機能が報告されているが、同様の機能を持つ薬剤(Silvestrol)は、PDCD4発現が低下した去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対する抗腫瘍効果を認め、新規治療法となりうる可能性が示唆された。 これらの知見により、PDCD4経路は治療困難なCRPCの新規マーカー、治療となる可能性が示唆された。
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