研究課題/領域番号 |
19K18604
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
泉 秀明 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80722545)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | Low-energy shock wave / overactive bladder / underactive bladder / 低出力体外衝撃波 / 低活動膀胱 / 骨盤虚血モデル / 過活動膀胱 / 下部尿路障害 / 低出力体外衝撃波治療 |
研究開始時の研究の概要 |
腹圧性尿失禁・低活動膀胱は高齢者に多い下部尿路障害疾患であるが、低侵襲の有効な治療法が確立されていない。近年その病態として、慢性虚血による尿道括約筋・膀胱排尿筋の脆弱化が注目されている。低出力体外衝撃波治療はその血流増強作用・脆弱組織修復作用から、重症狭心症患者に対して既に臨床応用されている治療法である。 低出力衝撃波を脆弱化した尿路組織(尿道括約筋・膀胱排尿筋)に照射することで、組織学的・生理学的に治療効果を得られることを明らかにし、下部尿路障害に対する新規低侵襲治療法として低出力体外衝撃波治療を確立したいと考えている。
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研究成果の概要 |
本研究は、低出力体外衝撃波の下部尿路症状に対する治療効果を検証するものである。過活動膀胱を呈するラット膀胱虚血モデル(膀胱を栄養する動脈の内腔を損傷させ、さらに高脂肪食を摂取させることで、通常ラットに比べ1回排尿量が少なく、排尿回数が多くなるモデル)を作成し、このモデルの膀胱に低出力体外衝撃波を照射すると、照射していない群に比べ、過活動膀胱症状が改善する(1回排尿量が増加し、排尿回数が減少)ことが確認された。低出力体外衝撃波群では、照射していない群に比べ、膀胱血流が明らかに増加することが確認された。低出力体外衝撃波が過活動膀胱の新たな治療選択肢となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過活動膀胱の治療は、抗コリン薬・β3刺激薬などの内服薬による薬物療法が主流であるが、治療抵抗性を示すものもあり、重症例に対しては経尿道的に膀胱壁にボツリヌス毒素を注入する療法や体内に電気刺激装置を埋め込んで持続的に電気刺激を行う仙骨電気刺激療法が適応となっている。しかしこれらの治療は内服治療に比べ侵襲度の高い治療法である。 本研究により、低出力体外衝撃波が過活動膀胱の新たな侵襲性の低い治療方法となり得る可能性が示唆された。低出力体外衝撃波による膀胱壁の血流改善効果が確認されたが、その治療メカニズムはまだ十分には解明されておらず、今後のさらなる研究が望まれるところである。
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