研究課題/領域番号 |
19K18609
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 倫央 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (40759528)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ATP / LPS / 排尿反射 / TLR4 / 頻尿 / 尿中細菌叢 / 過活動膀胱 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで尿は無菌であると認識されてきたが、細菌学の発展によって尿中には従来の検査方法では検出できない細菌が細菌叢を形成していることが明らかになった。そして、過活動膀胱患者の尿中には健常者とは異なる細菌叢が形成されていることが報告され、この細菌叢がOABの発症に関与している可能性が示唆されている。本研究はOABの根治治療を目指し、尿中細菌叢が頻尿をきたすメカニズムを解明し、過活動膀胱の新規治療薬を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
急性膀胱炎モデルを用いて検討した結果、我々は膀胱尿路上皮が膀胱内腔のLPSをToll-like receptor 4で感知し、早期に神経伝達物質ATPを放出することを明らかにした。さらに、ATP受容体であるP2X2、P2X3のノックアウトマウスを用いて検討した結果、LPSが誘導する膀胱求心性神経を介した脊髄L6-S1神経細胞の活性化と、その結果生じる早期排尿反射の亢進にATPシグナルが重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで細菌性膀胱炎では膀胱組織に生じる炎症性変化が頻尿をきたすと一般的に考えられてきた。しかし、本研究では膀胱組織に炎症性変化が生じる前に、神経伝達物質ATPを介した神経シグナルが早期に頻尿をきたすことを明らかにした。この頻尿メカニズムは膀胱内の感染制御や恒常性の維持に重要な役割を果たしていると考えられる。また、この頻尿メカニズムは、尿意切迫感や頻尿をきたす過活動膀胱の新規治療ターゲットになる可能性を有している。
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