研究課題/領域番号 |
19K18615
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
米森 雅也 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (00758013)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 膀胱癌 / GC療法抵抗性 / シスプラチン耐性 / 進行性膀胱癌 / CRISPRライブラリー |
研究開始時の研究の概要 |
進行性膀胱癌の予後は不良であり、再発・転移症例に対してGemcitabine + Cisplatin (GC)療法が1stライン治療であるが、GCに対するプライマリーレジスタンスの症例や治療後 に再発をきたす症例も少なからず存在する。 本研究では従来のRNAシーケンスやマイクロRNAの発現プロファイルに基づく解析に加えて、メタボロミクス解析や新しいゲノム編集技術であるCRISPRライブラリーを膀胱癌細胞に導入して解析する。このように多くのデータベースから多面的アプローチを行い、核心的なGCに対するプライマリーレジスタンスを予測する有効な腫瘍マーカーを見つける提案である。
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研究成果の概要 |
ヒト膀胱癌細胞株(BOY,T24)をシスプラチン添加培養液で6か月間継続して培養することで樹立したシスプラチン耐性株(CDDP-R-BOY,CDDP-R-T24)を用いて、シークエンス解析を行い、シスプラチン耐性株で変化しているmicroRNA(miRNA)を検索した。解析結果より28個のmiRNAを候補に挙げ、miR486-5pが最も強い増殖抑制効果を示すことが分かった。miR-486-5pの標的としてEHHADHに注目し、標的遺伝子をノックダウンすることにより増殖能・遊走能・浸潤能が抑制され、更にシスプラチン投与にて相加相乗効果が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行性・転移性膀胱癌における標準治療であるゲムシタビン + シスプラチン療法に対するプライマリーレジスタンスとして、miR-486-5pを同定した。シスプラチン耐性膀胱癌細胞の増殖アッセイにてmiR486-5pは最も強い増殖抑制効果を示し、miR-486-5pの標的としてペルオキシソームにおける長鎖脂肪酸の分解、脂肪酸のβ酸化に関与する機能を有するEHHADHを発見した。EHHADHをノックダウンすることにより増殖能・遊走能・浸潤能が抑制され、更にシスプラチン投与にて相加相乗効果が認められた。これらの結果より、膀胱癌におけるシスプラチン耐性のメカニズムの一端を解明することができた。
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