研究課題/領域番号 |
19K18617
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
武山 祐士 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 後期臨床研究医 (90803031)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | MDSC / シスプラチン耐性 / 膀胱癌 / 免疫チェックポイント / ケモカイン / PD-L1 / PD-1 / chemokine / bladder cancer |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではMDSCの機能解析とICIへの影響を検討するとともにMDSCを標的とした新規膀胱癌治療法の開発を試みる。さらに臨床サンプルを用いて、膀胱癌に対する手術・化学療法などの治療過程において、腫瘍組織中および血中に遊走されるMDSCの割合の変化を経時的に追跡し、シークエンシャルなデータを構築する。そして、MDSCが治療効果予測因子や治療方法を決定する際のバイオマーカーになりえるかを検討することで、新たな治療戦略の発展を目指す研究である。
|
研究実績の概要 |
マウス膀胱癌細胞株 (MB49、MBT2)、およびヒト膀胱癌細胞株 (T24)のシスプラチン耐性株(MB49R、MBT-2R、T24R)を樹立し、MDSCsを誘導するケモカインであるCXCL1、CXCL2、CCL2の発現および組織中のMDSCsの変化をシスプラチン耐性株と親株で比較検討した。また、脾臓と腫瘍組織内から分取したMDSCsの機能解析を行い、MB49R皮下腫瘍モデルを用いて、α-PD-L1抗体と、MDSCsの表面マーカー(Gr1およびLy6C)に対するモノクローナル抗体との併用療法による抗腫瘍効果を評価し、血液・腫瘍組織における免疫細胞の変化を解析した。 CXCL1、CXCL2およびCCL2は、親株と比較してシスプラチン耐性株で高発現していた。顆粒球由来(polymorphonuclear MDSCs; PMN-MDSCs)および単球由来(monocytic MDSCs; Mo-MDSCs)のMDSCsの割合は、親株では腫瘍サイズに比例して増加したが、MB49R皮下腫瘍モデルでは、PMN-MDSCsは親株と比較して著しく減少した。また脾臓中のMDSCsに比較して腫瘍中のMDSCsにおいて免疫抑制関連遺伝子であるArg-1、iNOSの発現が有意に高値であった。α-Ly6C、α-Gr1およびα-PD-L1抗体との併用療法は、単独療法と比較して腫瘍の増殖を有意に抑制し、併用療法群の腫瘍組織においてMDSCsは減少し、CD8 T細胞の浸潤は増加していた。 シスプラチン耐性膀胱癌の治療においてMDSCは複合免疫療法の標的候補としての可能性があり、今後はヒト膀胱癌治療におけるMDSCsの変化をフローサイトメトリーを用いて解析する。
|