研究課題/領域番号 |
19K18631
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原口 広史 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (50804506)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | p53 / Mdm2 / SF1/Ad4BP / 卵巣 / 排卵 / 卵子成熟 / 網膜芽細胞腫蛋白 / 細胞増殖抑制 / 子宮内膜管腔上皮 / ネクロトーシス / 胚着床 / 胚浸潤 / プロゲステロン / TNFα / 顆粒膜細胞 / 卵丘膨化 / マウスモデル / 転写因子 / 性腺 / SF1 / MDM2 |
研究開始時の研究の概要 |
SF1/Ad4BPは性腺や副腎の発生・分化・形成に関わる主要な転写因子である。雌雄を連続的な表現型と考える性スペクトラムという観点では、SF1作用の低下により性の定位がメス寄り、かつ、完全メスでない位置に移行する。Mdm2低下によってp53増加・活性化が誘導されSF1が抑制されて性スペクトラムが完全メスからややオス側へ偏位する可能性が示唆されることから、本研究では、組織および細胞培養系を用いたp53のSF1転写調節機構の解析とMdm2およびp53のコンディショナルノックアウトマウスを用いた性機能の表現型解析によって、p53のSF1を介した性スペクトラム調節機構を明らかにしたい。
|
研究成果の概要 |
転写因子SF1/Ad4BPは性機能分化への関与が知られていたが、その調節機構は不明であった。Mdm2は癌抑制因子として知られるp53の抑制因子であり、Mdm2を欠損させるとp53分解が起こらずp53の作用が増強する。本研究では、卵丘細胞の転写調節因子として、p53とMdm2を介した卵子成熟および排卵の調節機構を調べる中で、顆粒膜細胞においてp53による転写調節によりSF1/Ad4BPの発現が調節され、卵巣機能がコントロールされていることを明らかにした。p53のSF1を介した性機能調節機構が明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、p53のSF1を介した性スペクトラム調節機構が明らかとなった。Mdm2-p53の系がSF1を介して、メスマウスの卵巣機能や子宮機能の維持を図っていること、その欠損により、完全メスからややオス寄りに偏位した性スペクトラムの状態になっている可能性が示された。また、SF1を調節している因子としてのp53の過剰発現・活性化により、SF1低下を介してメスをオス化する因子としてのp53の側面を見出した。これらの知見は、今後の研究の進展により、性分化異常の機序の解明や、不妊症の病態解明、避妊薬の開発につながることが期待される。
|