研究課題/領域番号 |
19K18633
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
須田 一暁 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (80650621)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 子宮腺筋症 / ゲノム / レーザーマイクロダイセクション / 変異アリル頻度 / 正常子宮内膜 / 癌関連遺伝子 / 子宮内膜 / ゲノム解析 / 選択的組織採取 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮腺筋症は、子宮内膜組織が子宮平滑筋に浸潤して形成され、経困難症や不妊症の原因となる頻度の高い婦人科疾患であるが、その発症メカニズムは依然として不明である。本研究では子宮腺筋症とその発生母地とも考えられている正常子宮内膜に対し、レーザーマイクロダイセクションを用いた選択的組織採取を用いたサンプリングを行い、対象組織から核酸(DNA・RNA)の採取を行う。網羅的塩基配列の決定から子宮腺筋症発生に関わる遺伝子変異を同定し、また組織特異的な遺伝子発現を明らかにすることで子宮腺筋症の病態・発症メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
計23症例の摘出子宮よりマルチサンプリングを行い、子宮腺筋症上皮組織44サンプル、子宮腺筋症間質組織13サンプル、正常子宮内膜組織57サンプルに対しレーザーマイクロダイセクション(LMD)による組織特異的サンプリングを行い、76遺伝子のターゲットプローブを用いてターゲットシーケンスを施行した。子宮腺筋症組織で変異を認めた代表的な遺伝子は頻度の高いものからKRAS、ARID1A、ARHGAP35、PIK3CAであった。3症例で子宮腺筋症と子宮内膜間でKRAS変異が共有されていた。先行研究のデータも合わせると子宮腺筋症共存子宮内膜でKRAS、PIK3CA変異を多く認められるという結果であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮腺筋症組織に対しターゲットシーケンスを行い、遺伝子プロファイルを明らかにした。徹底した組織選択的採取により腺筋症上皮はモノクローナルであり、腺筋症間質は不均一な細胞集団であることを解明し、両者の発生起源は異なる可能性を示唆した。また腺筋症と共存する正常子宮内膜上皮は、KRASやPIK3CAといった子宮内膜癌でも認められる癌遺伝子変異の存在頻度が高いことを明らかにし、これは子宮内膜関連疾患の病態解明にも寄与する結果であるといえる。
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