研究課題/領域番号 |
19K18636
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
尾山 恵亮 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (90833624)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | ischemia / near field angiography / ovarian necrosis / 虚血再灌流障害 / インドシアニングリーン / 卵巣 / 捻転 / 卵巣茎捻転 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣茎捻転は、卵巣腫瘍などを背景に、突如卵巣への栄養血管がねじれ、強い腹痛を訴える疾患であり、その発生頻度は高い。その際、卵巣への酸素供給が途絶え壊死が起こるため、卵巣を温存するか摘出するかを手術中に判断しなければならない。ところが、虚血の程度を判断する方法はいまだに確立されておらず、主観的な「見た目」によって判断されている。 卵巣茎捻転の手術中に、卵巣を残せるのかどうかを判断する基準を作成することが、本研究の目的である。そのためにIndocyanine Greenと近赤外線カメラを用いて組織への血流評価をおこなう。
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研究成果の概要 |
偶然に捻じれて虚血状態に陥った卵巣に対し、手術で捻じれを解除した場合、卵巣予備能がどの程度残存するのかを予測する方法はこれまで存在せず、手術中の「色調」といった主観的推測や、「全例温存する」という方針に基づいて治療法が選択されてきた。本研究で、捻じれている卵巣の血流が手術中にインドシアニングリーン血管造影法によって定量的評価が可能であること、さらに捻転解除前の最大血流、再灌流の割合といったパラメータが、予後予測に有用であると示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、これまで確立されていなかった卵巣の定量的血流評価を見出したことである。さらに、卵巣の機能温存に必要な、虚血に陥った卵巣の血流量や、虚血解除した瞬間の再灌流の程度が、他の臓器とは大きく異なることを世界で初めて明らかにした。 本研究の成果により、色調が悪いという理由で摘出されるかもしれない卵巣が、インドシアニングリーンを用いることで確固とした根拠をもとに温存されうるということである。卵巣は女性ホルモンを生産し、卵子を育む臓器であるため、社会的意義は大きい。
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