研究課題/領域番号 |
19K18637
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
牛田 貴文 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (90805152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 妊娠高血圧腎症 / DOHaD / 早産児 / 脳障害 / 炎症 / 心血管障害 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧腎症は妊娠により血圧上昇、蛋白尿を来す疾患である。近年の疫学調査により、妊娠高血圧腎症を発症した妊婦から生まれた児は、脳性麻痺や自閉症などのリスクが高いことや、将来心血管障害やメタボリック症候群などを発症しやすいことが明らかになってきた。我々は妊娠中の「異常炎症」による胎内環境の悪化が出生後の疾患リスクの上昇に関与するのではないかという仮説を立て、動物モデル(炎症誘発性妊娠高血圧腎症モデル)や臨床検体(早産児の在胎修正40週頭部MRI画像)を用いて検証することを研究目的とした。
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研究成果の概要 |
妊娠高血圧症候群を発症した母から生まれた児は将来心血管障害、糖尿病、神経学的後障害のリスクが高いことが知られている。本研究では妊娠高血圧腎症モデル動物を用いて、妊娠中の母体の「異常炎症」が児の将来の心血管障害・糖尿病の発症機序の一つであること、またそれが次世代へ影響しうることを明らかにした。また、新生児の頭部MRI画像を用いた様々な解析により、妊娠高血圧症候群による児の脳容積、脳障害スコア、脳代謝の変化などを評価し、長期的な神経学的後障害のメカニズム解明に寄与した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠高血圧症候群を発症した母から生まれた児は、将来様々な疾患のリスクが高いことが知られている。本研究ではモデル動物を用いて、母体の「異常炎症」が児の将来の心血管障害・糖尿病の発症機序の一つであること、またそれが次世代へ影響しうることを明らかにした。本研究は、母体の「異常炎症」を抑える治療を行うことで、児の長期的な予後の改善につながる可能性を示唆している。また、新生児の頭部MRI画像を用いることで神経学的後障害のハイリスク児を早期に抽出することができる可能性がある。これらの観点から、本研究により周産期・新生児医療における重要な知見が得られたと考える。
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