研究課題/領域番号 |
19K18660
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
北村 茜 東北大学, 医学系研究科, 技術補佐員 (50736402)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 全胞状奇胎 / 雄核発生 / ゲノムインプリンティング / 悪性転化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の妊娠年齢の上昇は、異常妊娠の頻度を増加させている。異常妊娠として全胞状奇胎(奇胎)は、胎盤絨毛の異常増殖と嚢胞化を示す。この全奇胎は、雄核発生を原因とし、多数の対立遺伝子間でのヘテロ接合性の消失とゲノムインプリンティングの消失を遺伝的特徴とし、また高率に癌化を導く。そのためゲノムインプリンティングの分子機構や絨毛癌化プロセスを理解する上で、最適の生体マテリアルとなる。本研究では、独自に開発した培養技術を活用し、全奇胎の疾患モデル細胞を作成する。次に、全奇体細胞の分子特性や分化能について、正常TS細胞と比較する。さらに、胎盤絨毛でのゲノムインプリンティングの役割について検討する。
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研究成果の概要 |
全胞状奇胎(全奇胎)の疾患TSモデル細胞を作成し、全奇胎細胞の細胞特性、分化能、増殖能について明らかにした。また、全奇胎の病態に特徴的なインプリント遺伝子p57KIP2の機能について、その強制発現とヒトTS細胞へのゲノム編集技術を用い、P57kip2遺伝子をノックアウトし、細胞密度に応じた細胞増殖の停止機能について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国では、晩婚化と妊娠年齢の上昇により異常妊娠の割合が上昇傾向にある。異常妊娠のうち、全奇胎は正常胎盤絨毛に比し、高率に絨毛癌化を伴うため、他の形態的類似性を示す疾患(部分奇胎、顕微鏡的奇胎)との鑑別を要する。学術的には、未分化状態を保持する全奇胎の疾患モデル細胞を作成し、細胞悪性転化のメカニズムとゲノムインプリンティング消失の病態メカニズムを解明することを目的とし、全奇胎の疾患モデル細胞を作成した。さらにその細胞特性と分子特性について、遺伝子強制発現やゲノム編集技術による遺伝子欠失により解析した。本研究内容はPNAS誌に掲載された。
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