研究課題/領域番号 |
19K18663
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小林 達也 千葉大学, 医学部附属病院, 技術職員 (00645640)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 乳汁分泌不全 / プロラクチン受容体 / プロラクチン / 遺伝子多型 |
研究開始時の研究の概要 |
乳汁分泌は哺乳類が子育てをするためには必須の機能であり、自然界では乳汁分泌不全個体の子は死亡してしまう。申請者らは産後乳汁分泌不全を呈する症例の遺伝子解析を行い、プロラクチン受容体(PRLR)の機能欠失多型を同定した。現在まで、プロラクチンの働きは生殖機能に必須と考えられていたが、PRLR欠損症から得られた知見より乳汁分泌は生殖とは独立した機能であり出産後の乳汁の合成量・分泌量は遺伝的要因にも左右され、遺伝的に授乳が困難な人が一定数いるのではないかという仮説を立てた。本研究ではプロラクチン関連遺伝子に焦点を当てた網羅的遺伝子解析を行い、母乳の合成量・分泌量を遺伝子多型の観点から検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、母乳分泌不全症例の遺伝子多型についてPRL経路を中心に解析し、母乳分泌不全の原因遺伝子を明らかにすることを目的とした。乳汁分泌が全くみられなかった症例 10 例と生殖内分泌外来に受診した原因不明の高プロラクチン血症患者のプロラクチン受容体遺伝子をダイレクトシーケンス法によって解析した結果、PRLRのExon上には乳汁分泌と関連すると考えられる遺伝子多型は同定できなかった。一方、哺乳期間が短い健常者のGWAS解析では、表現型と関連が推定されるPRLRの非翻訳領域のSNPsを4カ所とPRLR以外の2つの遺伝子を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
母乳育児を行うことが社会的にも医学的にも善しとされる傾向があり、母乳が出ない・出にくいことは母親にとって大きなストレスになることがある。しかしながらか、なぜ母乳分泌量に差があるのかは不明な点が多い。産後のストレスは、産後うつや育児放棄などの産褥後のトラブルの原因となることが知られている。本研究では母乳分泌能力に遺伝学的な特徴がある可能性を示唆することができた。今後、今回のような研究が発展することにより、産後ストレスの低減や、新規介入方法の開発に寄与する可能性がある。
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