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子宮内膜脱落膜化におけるミトコンドリアダイナミクスの解明と病態への関与

研究課題

研究課題/領域番号 19K18679
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56040:産婦人科学関連
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

田丸 俊輔  埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (10647077)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードミトコンドリア / ダイナミクス / 脱落膜化 / 脂肪酸 / β酸化 / 脂肪滴 / 子宮内膜間質細胞 / 子宮内膜脱落膜化
研究開始時の研究の概要

子宮内膜にある間質細胞は、排卵後に生体内の様々な化学物質の刺激を受けて脱落膜化という細胞形態の変化を遂げる。また、この過程は妊娠の成立と維持に必須の過程であり、脱落膜化の異常と、妊娠に関連する様々な疾患との関連が報告されている。
我々はこれまでの実験で、子宮内膜間質細胞を人工的に脱落膜化させると、細胞内のミトコンドリアの数が増加することを見出した。ミトコンドリアに関しては、生体内で多様な役割を果たすことが知られているが、子宮内膜の脱落膜化にどのように関連するかはよくわかっておらず、本研究でそれらの点に関して解明していきたいと考えている。

研究実績の概要

研究参加に同意した対象例の手術により得られた子宮検体から、子宮内膜間質細胞を分離・培養した。培養した子宮内膜間質細胞に脱落膜化刺激を行い、脱落膜化分化をさせた細胞(脱落膜化群)と、脱落膜化していない細胞(コントロール群)を作成し、各実験系で両群間の相違を比較検討した。
RI標識したパルミチン酸を指標としてミトコンドリアの脂肪酸β酸化活性を評価し、脱落膜化群で脂肪酸β酸化活性が上昇することを確認した。一方で、脂肪酸β酸化の基質であるアシルCoAの、ミトコンドリアへの取り込みを制御するCPT1の発現は低下することを確認した。
蛍光・電子顕微鏡による細胞形態の観察を行い、脱落膜化群でミトコンドリア数の増加と、細胞質の脂肪滴増加を確認した。また、細胞内ミトコンドリアの分裂に必要なDrp1について、免疫染色にてタンパク量発現の評価を行い、脱落膜化群ではDrp1の発現が増強することを確認した。また、ミトコンドリア分裂に関与する遺伝子群に関してRT-qPCR法による発現量の評価を行った。その結果、ミトコンドリアの分裂に重要なDRP1、DRP1と協調して働くMiD51、Mffの発現が脱落膜化群で上昇し、MiD49は発現が低下することがわかった。一方で、DRP1の分解に重要な役割を果たすMITOLの発現は不変であった。
さらに、脂肪酸β酸化を調節する遺伝子群についてRT-qPCR法による発現量の評価を行い、脱落膜化群ではACADMの発現が低下し、ACSM5の発現は上昇することを確認した。
上記の研究成果について、現在論文投稿の準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実施に遅れが生じていたため研究期間の延長を行ったが、現在研究成果の論文投稿準備を進めることができており、研究期間内に成果を発表できるように努めてまいりたい。

今後の研究の推進方策

進捗状況の欄に記載をしたが、2024年度が最終年度であるため、研究期間内に論文として研究成果を発表できるようにプロジェクトを進めていく所存である。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Endometrial microRNAs and their aberrant expression patterns2020

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Tamaru, Takeshi Kajihara, Yosuke Mizuno, Yumi Mizuno, Hideno Tochigi, Osumu Ishihara
    • 雑誌名

      Medical Molecular Morphology

      巻: - 号: 3 ページ: 131-140

    • DOI

      10.1007/s00795-020-00252-8

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書 2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] miR-424&503 は形態学的、生物学的にも子宮内膜脱落膜過程を制御する2021

    • 著者名/発表者名
      山口 哲、梶原 健、栃木秀乃、田丸俊輔、高村将司、亀井良政、石原 理
    • 学会等名
      第 73 回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 子宮内膜間質細胞では脱落膜化によりオクタン酸が増加しミトコンドリアの動態に変化が生じる2020

    • 著者名/発表者名
      梶原 健, 栃木 秀乃, 田丸 俊輔, 石原 理
    • 学会等名
      第72回 日本産科婦人科学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 細胞伸展(メカニカルストレッチ)は形態学的,生化学的にも子宮内膜脱落膜過程を制御する2020

    • 著者名/発表者名
      栃木 秀乃, 梶原 健, 齋藤 良平, 田丸 俊輔, 石原 理
    • 学会等名
      第72回 日本産科婦人科学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 脱落膜化子宮内膜間質細胞における脂肪酸代謝調節機構の解明とオクタン酸の役割2019

    • 著者名/発表者名
      田丸俊輔 水野由美 梶原 健 岸美裕子 佐藤智美 小黒辰夫 石原 理
    • 学会等名
      第51回 日本臨床分子形態学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] Investigation of functional differences in endometrial mesenchymal and epithelial progenitor cells of endometriosis patients2019

    • 著者名/発表者名
      Shunsuke Tamaru, Yoshimasa Kamei, Osamu Ishihara and Jan Brosens
    • 学会等名
      第71回 日本産科婦人科学会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-12-25  

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