研究課題/領域番号 |
19K18682
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
宮崎 薫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (90445370)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 子宮内膜 / 子宮内膜症 / 転写因子 / iPS細胞 / 幹細胞分化 / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内膜症は、慢性疼痛や月経痛により女性のQOLを低下させるが、その他にも不妊症の原因となるなど深刻な問題を含む疾患である。私たちは、これまでの排卵抑制を主体とする薬物療法に限界を感じ、子宮内膜症の病態を新しい視点から明らかにすべく、幹細胞から内膜間質細胞へと分化する過程における転写因子の作用に着目して一連の研究を行ってきた。本研究では子宮内膜の分化に寄与する転写因子(TF-X)を標的とした治療薬の開発を目指し、TF-Xの結合やヒストン修飾などのエピゲノム情報をゲノムワイドに調べる。
|
研究成果の概要 |
正常子宮内膜間質細胞においては、gata2遺伝子が脱落膜化に関与する遺伝子群を制御しており、子宮内膜症間質細胞においてはgata2遺伝子の発現が低下していることが知られている。子宮内膜症では幹細胞の分化メカニズムの障害が発症に寄与していると考えられるため、ヒトiPS細胞が子宮内膜間質細胞に分化する際の遺伝子発現変化を元に、子宮内膜症進展に関与すると思われる転写因子の候補を絞った。そして内膜間質細胞においてgata2遺伝子をノックダウンすることで、Gata2応答性に子宮内膜症発症を抑制あるいは促進する転写因子の候補を特定した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮内膜症は、子宮内膜様の組織が子宮外に発育し、重篤な骨盤痛、不妊症、骨盤内癒着を引き起こす病気で、生殖年齢女性全体の約10%にみられる。現在、子宮内膜症の治療としては手術療法や薬物療法が存在するが、手術療法による卵巣機能の障害や薬物療法による排卵抑制など、現在の治療方法は妊娠を望む患者にとっては必ずしも有効な治療とはいえない。そこで、妊娠希望者にも使用できる新たな治療戦略の開発が急務となっている。今回同定された、子宮内膜症発症を抑制あるいは促進する転写因子の発現を子宮内膜症間質細胞内でコントロールすることで、最終的に排卵抑制に依らない、画期的な子宮内膜症の治療薬開発が期待される。
|