研究課題/領域番号 |
19K18683
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
白石 絵莉子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究員 (60837011)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 卵巣予備能 / 妊孕性 / 分子標的治療薬 / 妊孕性温存 / 性腺毒性 / 分子標的薬 / イマチニブ / オラパリブ / 顆粒膜細胞 / 原始卵胞 / 卵巣毒性 / がん・生殖医療 |
研究開始時の研究の概要 |
分子標的薬は悪性細胞が有する特定の分子を標的とし、副作用を抑えながら抗腫瘍効果をきたす新規抗がん剤である。しかしながら、分子標的薬についての性腺毒性に関する知見は極めて乏しい現状である。本研究では、齧歯類を用いて、このような分子標的薬が卵巣機能へ与える影響を検討し、実臨床における妊孕性温存療法の必要性や安全性を検証する。
|
研究成果の概要 |
我々は、性腺毒性が不明の分子標的治療薬について調査した。今回我々が調査した薬剤は、PARP阻害薬のオラパリブとチロシンキナーゼ阻害薬のイマチニブである。オラパリブは、マウスを用いた実験にて、卵巣内の卵胞を形成する顆粒膜細胞を傷害し、ホルモン産生や体外受精の成績に悪影響を及ぼした。イマチニブも同様に、顆粒膜細胞を傷害し、ホルモン産生や体外受精の成績に悪影響を及ぼした。しかし、その影響は短期投与によるもので、休薬期間をおいて同様の実験を行うと、その悪影響は取り消された。イマチニブは長期内服する薬剤であり、今後長期投与の影響を検証する必要性があると考える。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
若年がん患者が妊孕性温存を検討する際、どの程度性腺毒性があるかという情報が重要となるが、新規抗がん剤、特に分子標的薬の場合は、性腺毒性が不明なものが多く、妊孕性温存をすべきか苦慮することが多い。今回我々は、慢性骨髄性白血病治療薬であるイマチニブと、PARP阻害薬であるオラパリブの卵巣毒性について調査した。両薬剤とも、顆粒膜細胞への悪影響により、卵巣機能を低下させる可能性が示唆された。しかし、休薬期間により悪影響は相殺された。イマチニブは、長期的な内服が必要な薬剤であり、卵巣予備能低下を来す可能性があるため、妊孕性温存を検討することにも意義があると考えられた。
|