研究課題/領域番号 |
19K18695
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 慧 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30650593)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | ovarian cancer / clear cell carcinoma / bridged nucleic acid / antisense / platinum resistance / annexin A4 / アネキシン / 卵巣がん / アンチセンス / プラチナ抵抗性 / 人工核酸 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣がんの治療戦略において、プラチナ製剤抵抗性の克服は大きな課題の一つであり、特に本邦に多い組織型である明細胞がんはプラチナ製剤抵抗性であることが知られている。このプラチナ製剤抵抗性の鍵となる分子が、アネキシンA4と考えられ、これまで我々はプラチナ抵抗性の機序や機能領域について明らかにしてきた。本研究においては、アネキシンA4を標的とする人工核酸を用いた核酸医薬を作成し、投与方法や構造の工夫により、卵巣明細胞がんのプラチナ抵抗性の改善を目指すとともに、実臨床に応用できるような成果を得ることを目的とする。また、他の癌種における、アネキシンA4の役割も検討する予定である。
|
研究成果の概要 |
卵巣癌のプラチナ耐性克服は卵巣癌の治療戦略において重要な課題であり、本研究においてはANX A4のアンチセンスを作成して、その有効性を検証し、機能解析やPDXマウスによる実用化に向けた実験を行った。作成したアンチセンスは明細胞癌のプラチナ耐性を改善し、in vivo, in vitroいずれにおいても腫瘍増殖を抑制した。同様にプラチナ耐性とされている子宮平滑筋肉腫に対しても検討を行ったが、子宮平滑筋肉腫に対するANX A4を介したプラチナ耐性機序は見られなかった。現在卵巣明細胞癌においてPDXを用いたより臨床に近い投与実験やDDSシステムの開発を継続して行なっている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣癌は本邦の婦人科癌で最も予後不良な疾患であり、特に治療の中心となるプラチナ製剤に対する耐性は大きな課題である。特に、本邦では、プラチナ耐性である明細胞癌の割合が高く、そのプラチナ耐性の克服は卵巣癌治療を考える上で重要な課題である。本研究では、プラチナ耐性を誘導すると考えられるAnx A4のアンチセンスを人工核酸を用いて作成し、その有効性を検討した。その結果、作成したアンチセンスはin vitro, in vivoいずれにおいてもプラチナ抵抗性を改善し、プラチナ製剤と併用することで抗腫瘍効果を増強した。今後、組織移行性などの課題を解決し、創薬に向けてさらなる研究を進める予定である。
|