研究課題/領域番号 |
19K18697
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
光井 崇 岡山大学, 大学病院, 助教 (60769008)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖尿病合併妊娠 / 妊娠高血圧腎症 / 妊娠糖尿病 / プロテインキナーゼC / 血管新生因子 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧腎症は、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠などの糖代謝異常合併妊娠に合併し、発症すると母体、胎児ともに重篤な合併症をもたらし、両者を死に至らす危険な疾患であるが、未だ有効な治療法が開発されていない。本研究では、糖尿病合併妊娠モデルマウスを用いて、胎盤における血管新生の異常及び血管内皮障害に対する protein kinase Cβの病態意義を検証し、治療応用への可能性を見出すことを狙う。本研究は、未だ明らかとされていない糖代謝異常合併妊娠における妊娠高血圧腎症の発症及び増悪の機序の解明に貢献するのみならず、有効な発症予防法及び治療戦略の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
糖尿病モデルマウスの妊娠を成立させ、血圧測定、タンパク尿検査などの妊娠高血圧腎症への進行度をモニタリングし、血管新生因子や抗血管新生因子であるsFlt-1、PlGFについて評価を行った。PKCβの活性化状態においても胎盤組織で検討した。さらに、PKCβ阻害剤を糖尿病合併妊娠モデルマウスに投与し、その変化を検討した。 実験の結果、糖尿病合併妊娠モデルマウスでは、胎盤におけるPKCβの活性化の有意な増加を認め、胎盤および母体血中においてsFlt-1が有意に上昇しており、また、PlGFが有意に低下していた。さらに、PKCβ阻害剤を投与することによりこれらの変化を抑制することが可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠高血圧腎症は、糖代謝異常合併妊娠に合併し、発症すると母体、胎児ともに重篤な合併症をもたらし、両者を死に至らす危険な疾患であるが、未だ有効な治療法が開発されていない。しかし、本研究成果から、PKCβがその病態の中心的分子であり、その異常活性化が、sFlt-1、PlGFのアンバランスを引き起こし、血管新生及び血管内皮障害を引き起こしている可能性を見出した。また、これらの変化はPCKβ特異的阻害剤を使用することにより抑制できた。 従って、本研究では糖代謝異常合併妊娠における妊娠高血圧腎症の発症及び増悪の機序の解明に貢献し、PKCβを標的とした治療応用への可能性を見出した。
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